研究課題/領域番号 |
20K16330
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐田 遼太 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60869783)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | DKK1 / CKAP4 / FOXM1 / 膵がん / 肝がん / 肺がん / 食道がん / 肝細胞がん / 腫瘍免疫 / 腫瘍微小環境 / Wnt / 肝細胞癌 / がん微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
DKK1は、Wntシグナルを抑制することで胎生期における形態形成を制御する因子として同定された。一方、私共はDKK1の新規細胞膜受容体としてCKAP4を同定し、種々のがんにおいてDKK1-CKAP4シグナルによるWntシグナルと独立した細胞増殖機構を明らかにしてきた。一方、がんにおけるDKK1過剰発現の機構及び腫瘍微小環境におけるDKK1の機能については十分な解析が進んでいない。私共は転写因子FOXM1とDKK1が相互に発現促進することを見出している。本研究はがんにおけるDKK1の発現制御機構及びがん微小環境におけるDKK1-CKAP4シグナルの機能を明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
我々は種々のがんにおいてDKK1-CKAP4シグナルによる細胞増殖機構を明らかにしてきた。本研究で、私共は膵がん由来細胞株S2-CP8細胞においてDKK1下流で発現制御される遺伝子を網羅的に解析し転写因子FOXM1を見出した。FOXM1自身はDKK1を発現促進するポジティブフィードバック機構を介して、膵がんおよび食道扁平上皮がんの細胞増殖を促進する分子機構を報告し、膵がん・食道扁平上皮がんにおいてDKK1とFOXM1の共発現が独立した予後不良因子であること、DKK1-CKAP4 FOXM1シグナルが治療ターゲットとなり得る事を見出し、成果を論文発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の私共の研究成果の学術的意義は、難治性がんにおけるWntシグナルと独立したDKK1過剰発現の分子機構を明らかにしたことである。 また私共が開発した抗CKAP4抗体が、DKK1-CKAP4-FOXM1シグナルを阻害することで、in vivoにおける腫瘍増殖抑制を示すことを明らかにした。難治性がんの分子病態の理解と、将来の新規治療戦略の開発につながることが期待される点で、今回の私共の研究成果の社会的意義がある。
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