研究課題/領域番号 |
20K16331
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
瀧口 豪介 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60647767)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Wnt5a-Ror2シグナル / CXCL16-CXCR6 / PI3K-AKT-mTOR / 胃癌 / 線維芽細胞 / がん微小環境 / Wnt5a-Ror2 / がん関連繊維芽細胞 / CXCL16-CXCR5 / 癌関連線維芽細胞 / Wnt5a / Ror2 / CXCL16 / CXCR6 |
研究開始時の研究の概要 |
癌微小環境では様々な細胞や因子が複雑に作用しながら、癌の増殖、浸潤、転移が促進される。我々は癌微小環境における癌細胞増殖促進モデルとして、骨髄由来の繊維芽細胞が胃癌細胞との共培養により、Wnt5a-Ror2シグナルの活性化を介しサイトカインの1種であるCXCL16の分泌を増加させ、胃癌細胞が持つCXCR6を刺激し、胃癌細胞の増殖を促進する事を明らかにした。本研究では線維芽細胞が癌細胞の浸潤や転移も促進するか、また癌細胞内においてCXCL16-CXCR6シグナルの下流明らかにし、Wnt5a-Ror2、CXCL16-CXCR6、その下流シグナル経路をターゲットとした治療法の確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
今回の研究では、CXCL16-CXCR6シグナルが、自律的にMSCにおいても活性化され、CCL5の発現を上昇させることを示した。また、CCL5受容体であるCCR1/CCR3がMKN45細胞表面に発現し,MSC由来CCL5がCCR1/CCR3との結合し、MKN45細胞の移動を促進することを示した。MSCのCXCL16-CXCR6シグナルがCCL5の発現を上昇させ、MKN45細胞でCCL5-CCR1/3シグナルが活性化され、MKN45細胞の移動を促進することを示した。これらの結果はMSC由来ケモカインが、未分化胃癌細胞の進展を制御していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌関連線維芽細胞と癌細胞とのシグナルネットワークに関しては、未だ不明な点で、Wnt5a-Ror2シグナルがMSCsにおいてCXCL16の分泌を高め、胃癌細胞MKN45のCXCR6を刺激することにより、その細胞増殖が促進されることが報告された。本研究は、癌微小環境におけるCAFとがん細胞の相互作用から、がんの増殖、浸潤、転移を細胞間・細胞内のシグナルネットワークの観点から解析する重要な研究です。この制御機構の解明こそが、悪性度の高い未分化胃がんの進展を制御可能なものとする契機となる研究であり、がん制御の布石として大変意義深い研究である。
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