研究課題/領域番号 |
20K16334
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 陽之輔 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (00823311)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 小細胞肺癌 / 神経ガイダンス分子 / Draxin / Neogenin / 発癌 / 肺小細胞癌 |
研究開始時の研究の概要 |
小細胞肺癌は、化学療法による治療効果が不十分であり新たな治療法が求められている。 神経ガイダンス分子は特異的な受容体との結合の有無に応じて、細胞増殖やアポトーシスを調節する。癌細胞では、この機能を利用して細胞増殖や生存、アポトーシス回避に役立てていると考えられており、この機構を利用した新たな癌治療方法への活用が研究されている。 本研究では、小細胞肺癌において、神経ガイダンス分子とその受容体の役割を解析をするとともに、神経ガイダンス分子と受容体の結合を阻害するためにdecoy蛋白を作成、用いて癌細胞への影響を検討し、神経ガイダンス分子が小細胞肺癌への新たな治療法となる可能性を模索するものである。
|
研究成果の概要 |
ガイダンス分子Draxinと受容体Neogeninによる経路が小細胞肺癌の腫瘍形成性に及ぼす影響を検討するために、作成したNeogenin遺伝子欠損細胞株H69ARと及びSBC5を用いてRNA-seqによる遺伝子発現の変動やデコイタンパクによる結合阻害、Draxin投与による影響の解析を行った。結果として、DraxinやNeogeninは小細胞肺癌での増殖能やアポトーシス関連因子の発現に関与している可能性が分かり、特にNeogeninは浸潤能の変動に関与していることが分かった。またNeogeninは小細胞肺癌の細胞株毎に細胞骨格や細胞接着を介して浸潤能の増減させることが判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小細胞肺癌は高悪性度腫瘍であるが、従来の化学療法では治療効果が不十分であり、新規治療法の開発が求められている。ガイダンス分子は受容体との結合により細胞増殖やアポトーシスを調節することから、新しい癌治療のターゲットとして注目されているが、Draxin-Neogenin経路と小細胞肺癌に関する報告はこれまで存在しなかった。本研究によりDraxin-Neogenin経路は小細胞肺癌の腫瘍形成性においてアポトーシス関連因子の発現や腫瘍の浸潤・転移能に関与している可能性が示唆され、Draxin-Neogenin間の結合をターゲットとして小細胞肺癌の腫瘍形成性や浸潤能へ影響できる可能性を示すことができた。
|