研究課題/領域番号 |
20K16342
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
玉川 崇皓 日本大学, 歯学部, 助教 (40814380)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | マイクログリア / 舌癌 / P2X7 / Pannexin / P2受容体 / Iba-1 / P2X4 / P2Y6 / 口腔癌 / 癌性疼痛 / microglia / P2 receptor |
研究開始時の研究の概要 |
臨床の現場で遭遇する異常疼痛には外科的手術による末梢神経の損傷などが起因となる神経障害性疼痛、あるいは慢性的な炎症が起因となる炎症性疼痛や、悪性腫瘍の浸潤による癌性疼痛が知られている。神経障害性疼痛や炎症性疼痛に関してはその疼痛発生の機序が解明されつつあるが、癌性疼痛に関しては研究が遅れており、早期の解明が望まれる。近年、三叉神経脊髄路核尾側亜核のマイクログリアを介した疼痛発症メカニズムが神経障害性疼痛や炎症性疼痛に関与しているとの報告がある。本研究は舌癌の進展に伴う三叉神経脊髄路核尾側亜核におけるP2X4およびP2Y6受容体を介したグリア-神経機能連関の変調を明らかにする。
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研究成果の概要 |
悪性腫瘍の浸潤による癌性疼痛が知られている。グリア-神経細胞関連のメカニズムをより深く解明するため舌癌モデルラットにおいて三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)に発現するP2X7受容体ならびにPannexin1(Panx1)がいかなるメカニズムで舌癌性疼痛発現に関与するかを検討した。その結果、舌癌性疼痛発現時には、Vcの表層に出現した活性型マイクログリアにおいてPanx1が発現し、このチャネルを通して放出されたATPが侵害受容ニューロンのP2X7受容体に結合することによって侵害受容ニューロンの活動が亢進し、舌癌性疼痛が発症する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性腫瘍による癌性疼痛に対しては現在では非オピオイド鎮痛剤が奏効しない場合オピオイドによる疼痛管理が行われているが、悪心・嘔吐、便秘、眠気、せん妄などの副作用が存在する。今回の研究結果はそのような副作用を発生させないために考えられた方法である。管理のできない疼痛は非常に耐え難いものであり、新たな非オピオイドに鎮痛剤よる疼痛管理を作り出すことはとても有意義なものである。また新たな、そして既存の研究結果と併せて新規疼痛管理の手段になりうると思われる。
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