研究課題/領域番号 |
20K16348
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
木村 基 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 臨床研究センター 産学連携推進部 部長 (50861647)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | すい臓がん / KCマウス / 腸内微生物叢 / メタゲノム解析 / 無菌マウス / 膵癌 / 細菌 / 腫瘍免疫 / 腸内細菌 / ヒトフローラマウス |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓癌の発症機序に基づく予防・治療法の開発は喫緊の課題となっている。そして、炎症は膵臓癌のリスク因子のひとつであり、腸内細菌の関与が示唆されている。そこで膵臓癌病変の形成や進行に、特定の腸内細菌が深く関与している可能性があると考え、健常人及び膵臓癌患者の便検体を収集し、膵臓癌患者に特徴的な腸内細菌種を明らかにした。そこで、本研究では、膵臓癌患者の有する特徴的な腸内細菌の膵臓癌発症に対する影響を明らかにし、発症機序の要因を解明することを目的としている。本研究は、膵臓癌の発症機序の要因を解明し膵臓癌早期診断の開発に寄与することを目指す点から、極めて重要な科学的意義を有する。
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研究実績の概要 |
すい臓がん患者と健常人の腸内細菌種の相違ついて比較・解析を行いすい臓がん患者における特徴的な菌種について明らかにしている。当該結果に基づき、すい臓がん患者特有の菌種を患者便検体あるいは唾液検体より菌の分離し、無菌のBalb/cマウスあるいはKCマウス(すい臓における変異型Krasの標的発現により自然すい臓新生物を発症するマウスモデル)に直接、これらの細菌を定着させたモデル動物を作成した。これらのマウスの一定期間後のすい臓組織の組織学的変化及びすい臓がんに関連するマーカの分析を指標に、当該細菌の膵臓がんへ影響の有無について解析を進める。現時点では、マウスの腸内微生物叢のメタゲノム解析と、同時にすい臓組織の病理学的な評価を実施中である。 さらに、別途、上記の無菌マウスにすい臓がん患者および健常人の糞便を摂取することで、を、ヒトの調査委微生物叢を模倣したノトバイオートマウスの作成に成功した。当該モデル動物を用いて、上記の解析と同様にマウスの一定期間後のすい臓組織の組織学的変化及びすい臓がんに関連するマーカの分析を指標に、当該細菌のすい臓がんへ影響の有無について解析を進める。現時点では、マウスの腸内微生物叢のメタゲノム解析と、同時にすい臓組織の病理学的な評価を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
膵臓癌モデル動物(KCマウス)の作成に関して、ノックアウトマウスを掛け合わせ繁殖を進める必要があり、目的とするノックアウトマウスの例数の確保に予想以上の時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
複数のモデル動物を用いて、すい臓がんに関連すると推測される菌種のがんの進行に対する影響を明らかにする。 すい臓がんに関連した菌種を移植したヒトフローラマウスモデルの試験や、微生物叢を移植したヒトフローラマウスモデルの試験から、マウスへのすい臓がん関連菌種の腸管への定着の程度についてメタゲノム解析等の方法により評価する。また、これらの菌種の定着によるすい臓、脾臓、消化管などへ影響にやすい臓組織内の免疫細胞への影響について組織学的な評価をもとに解析を実施する。 これらの解析結果を統合し、すい臓がん患者由来の腸内あるいは唾液由来の細菌のすい臓がんの進行への影響を明らかにする。 さらに、in vitroにおいてすい臓がんに関連する細菌由来の成分のがん細胞に対する影響を観察するための評価系の確立を目指す。
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