研究課題/領域番号 |
20K16350
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡崎 慶斗 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (70826289)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | NRF2 / NOTCH3 / CEBPB / 薬剤耐性遺伝子 / Regnase-1 / NRF2活性化がん / NRF2-CEBPB連携 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの生物学的な基盤は、遺伝子発現プログラムの異常と理解される。NRF2は酸化ストレスに応答して一過性に安定化し、生体防御に関わる遺伝子群を統括的に活性化する転写因子であるが、非小細胞性肺がんでは高率にNRF2の分解制御が破綻し、NRF2の恒常的な転写活性化を認める。こうした「NRF2活性化がん」は極めて悪性度が高く難治である。本研究ではNRF2活性化がんで生じている、NRF2-CEBPB連携とがん悪性化の関係性を解析する。また、NRF2-CEBPB連携により誘導されるRNA分解酵素、Regnase-1の重要性を、がん細胞と抗腫瘍免疫との関係に着目して解析する。
|
研究成果の概要 |
私達は、転写因子NRF2が恒常的に活性化している予後不良なNRF2活性化がんにおいて、NRF2が、一時的な活性化では生じない特徴的なエンハンサーを形成して、NRF2活性化がん特異的な標的遺伝子群を活性化していることを明らかにした。その中で、NOTCH3を制御するエンハンサーは、腫瘍幹細胞性の維持に重要であることを明らかにした。私達はさらに研究を進め、NRF2はCEBPBと協調的に作用することで、NOTCH3を制御するエンハンサーに加えて、薬剤耐性に関わる遺伝子群のエンハンサーを制御し、がんの悪性化をもたらすことを証明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私達は、NRF2活性化がんに特徴的なNRF2の働きを明らかにすることで、がん幹細胞性に必須なゲノム領域を同定した。そして、その領域の働きにより産生されるNOTCH3タンパク質が、NRF2活性化がんという難治性がんに対する新しい治療標的として有効であることを見出した。NRF2活性化がんは、がんの遺伝子変異の解析から診断可能であることから、本研究成果は、がんの遺伝子診断に基づいたオーダーメイドがん治療のさきがけとなることが期待される。
|