研究課題/領域番号 |
20K16358
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 神戸大学 (2020) |
研究代表者 |
飯田 理恵 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員(常勤) (10816771)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Bリンパ腫 / 免疫系ヒト化マウス / 腫瘍免疫 / トランスレーショナルリサーチ / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
免疫不全マウスにヒト造血幹細胞を移植して作製された免疫系ヒト化マウスでは、マウス体内でヒト免疫系の再現が可能である。本研究では、ヒトサイトカイン発現免疫系ヒト化マウスの腫瘍モデルを確立し、マクロファージなどの単核食細胞に発現する膜型分子であるSignal regulatoryprotein α (SIRPα) を標的とした抗SIRPα抗体によるヒトマクロファージを介した免疫療法の効果について検討する。さらに、同抗体によるヒトのがん免疫環境の制御について解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト免疫細胞の恒常的な生着とヒトマクロファージの分化を促進するヒトサイトカインを複数発現する次世代免疫不全マウスを使用し、抗ヒトSIRPα抗体の抗腫瘍効果について検討した。抗ヒトSIRPα抗体は、抗CD20抗体によるがん細胞のマクロファージによるADCPを有意に増強し、さらに、ヒトリンパ腫細胞を移植した免疫系ヒト化次世代免疫不全マウスの腫瘍増殖をin vivoにて阻害した。これらの発見は、免疫系をヒト化した次世代免疫不全マウスモデルが、抗ヒトSIRPα抗体などのヒトマクロファージを標的とする治療を評価するのに適した新しいツールであることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
In vitroでの薬効評価では複雑な腫瘍免疫環境を再現できず、同系移植などのマウスモデルではヒトに対する抗体医薬が評価できないことから、臨床応用との差異をできるだけなくすためにはヒトの免疫系を有した腫瘍モデルマウスにおいて薬効を評価することが非常に重要である。また免疫系ヒト化マウスを用いた薬効評価系が確立されれば、免疫系を標的とした新規がん治療薬のスクリーニングへの応用も期待される。
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