研究課題/領域番号 |
20K16360
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永吉 絹子 九州大学, 大学病院, 助教 (90761015)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 大腸癌 / 肝転移 / 腫瘍不均一性 / PDXモデル / heterogeneity / 癌微小環境 / Single cell RNA sequence |
研究開始時の研究の概要 |
転移性大腸癌は予後不良であり、大腸癌転移巣の治療不均一性や抵抗性の獲得機序の解明 が必要である。本研究では、ヒト大腸癌原発巣及び転移巣切除組織からPDXモデルライブラリーを作成し、それぞれの腫瘍間あるいは腫瘍内の不均一性を考慮する上で重要な癌微小環境を再現した腫瘍モデル基盤を構築する。さらにscRNAseqにより1細胞毎の網羅的発現解析を行い、転移巣に特異的な細胞集団・化学療法抵抗性に関与する細胞集団を同定する。これらの多角的な機能解析を用いて大腸癌転移成立・維持機構や化学療法抵抗性機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
これまで、外科切除したヒト膵癌組織を使用し、超免疫不全マウスへの皮下移植を行ったところ、6例の膵癌患者より採取した腫瘍組織片を用いたPDXモデルの樹立が完了した。さらに二次移植を行ったところ、4例の二次移植が可能であった。同様の手法を用いて大腸癌患者のPDXモデル作製を試みたが、樹立には至っていない。 また、胃癌、食道癌、大腸癌など50例以上のヒト固形癌でシングルセルRNAライブラリー作成を行っており、NGSで解析した。NGS解析後のデータは、Rパッケージ Seuratを用いて、単一細胞由来のmRNA発現からその細胞集団の特徴や機能に着目した解析、疑似系譜解析、細胞間相互作用の解析等を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原発巣・転移巣間、細胞集団間、機能的なheterogeneityを明らかにすることで、転移・再発・治療抵抗性の機序を細胞レベルで明確にすることができる。また、PDXモデルを用いることで化学療法感受性や抵抗性獲得と関連する細胞集団ごとの遺伝子発現パターンを経時的に解析することができれば、細胞の進化や選択的生存の機序解明につながり、学術的にも重要な知見となる。さらに、これらの知見が新たな転移性大腸癌の治療開発につながれば、学術や科学技術の面だけでなく多くの癌患者を含めた医療社会へ大きく貢献することとなる。
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