研究課題/領域番号 |
20K16372
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2022-2023) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2020-2021) |
研究代表者 |
鈴木 潤 順天堂大学, 医学部, 助教 (80869933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | がん関連線維芽細胞 / 腫瘍関連マクロファージ / 腫瘍微小環境 / 免疫微小環境 / 肺胞マクロファージ / 非小細胞肺癌 / 微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
がん組織はがん細胞だけではなく、その周囲にがん関連線維芽細胞(CAFs)や腫瘍関連マクロファージ(TAMs)、腫瘍浸潤リンパ球(TILs)などの非がん細胞が存在する。近年、CAFsがTAMsやTILsに影響し、腫瘍促進的な免疫微小環境を構築することが相次いで報告され、特にTAMsに関しては、CAFsとの直接接触あるいはCAFs由来の分泌因子を介して、動員、分化が誘導されることが知られているが詳細なメカニズムは未解明のままである。本研究は、我々が同定した腫瘍促進的なCAFsの亜集団が、1) TAMsの分化、動員に影響を与えるのか、2) 与える場合はその分子機構の解明、を目的とする。
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研究成果の概要 |
非小細胞肺癌において、がん関連線維芽細胞(CAFs)は腫瘍促進的な腫瘍関連マクロファージ(TAMs)の集積と 相関していることが示された。特にpodoplanin陽性の表現型を呈するCAFsでは免疫抑制的な腫瘍微小環境に関わるサイトカイン遺伝子発現の亢進が認められた。 CAFsがTAMsに何らかの経路で影響を与え免疫抑制的で腫瘍促進的な免疫微小環境構築に関与することが示唆された。我々の報告からTGF-βが関与することが示唆されている。単球からマクロファージに分化させる実験系を確立して、CAFsとTAMsの相互採用メカニズムの詳細を明らかにしてくことが今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非小細胞肺がん(NSCLC)の免疫微小環境(IME)を研究することは、治療法の開発と予後の改善において極めて重要である。免疫チェックポイント阻害剤のような新たな免疫療法の効果を予測・最適化するためには、IMEの詳細な理解が不可欠である。我々は腫瘍間質に着目し、がん関連線維芽細胞と腫瘍関連マクロファージの関係性を明らかにした。今後さらなる詳細なメカニズムを含むIMEの特性を解明することで、新たなバイオマーカーの発見や、個別化医療の推進が期待されると考えている。
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