研究課題/領域番号 |
20K16385
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新谷 拓也 大阪大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (40762076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | miR-130a-3p / オシメルチニブ耐性 / EGFR-TKI / エクソソーム / 肺がん / 耐性 / miRNA / オシメルチニブ / mTOR / TSC1 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)は、EGFR遺伝子変異を有する肺癌に著効するが、1-2年で耐性を獲得する。耐性の診断には、通常生検が必要であり、患者負担を要する。そこで、耐性化腫瘍細胞由来のエクソソームから薬効予測バイオマーカーを探索する目的で、本研究を行う。まず、耐性細胞株の培養上清からエクソソームを単離し、マイクロアレイ解析にて候補となるmiRNAを同定する。その後、肺癌患者の血清由来エクソソーム内のmiRNAを定量し、臨床データと共に解析し、臨床における有効性を評価する。本研究成果は、薬剤耐性の低侵襲での診断を可能とし、肺癌の個別化医療に貢献すると考えられる。
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研究成果の概要 |
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の耐性獲得は肺がん薬物療法の課題であり、その診断には患者負担の大きい組織生検が必要である。低侵襲に診断可能なバイオマーカー開発を目指し、エクソソーム(EVs)に着目して耐性獲得に寄与する因子の同定を試みた。ヒト肺がん細胞(PC9)と、第三世代EGFR-TKI(オシメルチニブ)に耐性獲得した細胞(PC9OR)が放出したEVsを解析した結果、PC9OR由来EVsに発現増加を認める6つのmiRNAを同定し、中でもmiR-130a-3pがオシメルチニブ耐性獲得に関わる重要な分子であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、新たにエクソソーム中miR-130a-3pが、複数のヒト肺がん細胞株においてオシメルチニブ耐性を誘導することを示した。エクソソーム中miRNAは、病態を表す低侵襲な診断ツールとして期待されている。がん細胞が放出するエクソソームは血中に移行し、全身を循環すると考えられており、血中のmiR-130a-3pはEGFR-TKIの薬効を予測する新規バイオマーカーとなりうる可能性があり、肺がん薬物療法の個別適正化・医療経済効果への波及も考えられる。また、miR-130a-3pを標的とした新規治療法の開発は、EGFR-TKI耐性の克服にも寄与する可能性もあり、今後の更なる研究の発展に期待される。
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