研究課題/領域番号 |
20K16388
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 (2021) 長崎大学 (2020) |
研究代表者 |
佐々木 由香 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50823332)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Olaparib / 抗がん剤耐性 / PARP1 / poly (ADP-ribose) / 膵がん / PARP阻害薬 / PARP阻害剤 / PARP / ポリADP-リボシル化 |
研究開始時の研究の概要 |
抗がん剤の連続投与は薬剤耐性をもたらし、化学療法の大きな問題点となっている。今後急速に適応拡大が期待されるPARP阻害剤も、同様に薬剤耐性を獲得する可能性を秘めており、早期にPARP阻害剤耐性獲得機構を明らかにし、その治療法を確立する必要があると考えた。本研究では、PARP阻害剤耐性に寄与する新規因子を同定し、その耐性機構を解明する。また、どのようにPARP阻害剤耐性が克服できるのかを既存の抗がん剤を用いて調べる。以上の解析により、PARP阻害剤耐性を獲得したがん罹患者の抗がん剤耐性克服治療法の開発に繋がるような研究を行いたい。
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研究成果の概要 |
PARP阻害薬olaparibは、相同組換え修復に関わるBRCA1またはBRCA2に変異を持つ乳がん、卵巣がん、膵がんなどに対する合成致死性抗がん剤として臨床承認されている。本研究では、膵がん細胞株において、CRISPR/Cas9システムを用いてBRCA1ノックアウト株を構築した。さらに、この細胞株を用いて、olaparibに耐性株を複数単離したところ、これらはolaparib耐性因子を同定するのために有用な細胞株であることが示唆された。単離したolaparib耐性株を用いた耐性因子の同定とその耐性機構の解析は、PARP阻害薬耐性を克服するための新規治療法の開発に繋がると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PARP阻害薬olaparibは合成致死性抗がん剤であり、がん細胞に対して特異的に致死を誘導することから、副作用の少ない抗がん薬として期待される。既に臨床承認されているolaparibを用いた治療上の問題として、抗がん薬耐性の獲得が挙げられる。本研究課題では、olaparibに対して高感受性を示すBRCA1ノックアウト細胞を構築し、その細胞株を用いて、複数のolaparib耐性細胞株を単離した。これらの耐性機序を明らかにし、olaparib耐性獲得時の新規治療法を提案することで、がん治療に貢献できると考えている。
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