研究課題/領域番号 |
20K16389
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
山口 優也 東邦大学, 医学部, 助教 (60779966)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光線力学的療法 / 癌 / アポトーシス / ポルフィリン / ミトコンドリア / LED / 光感受性物質 / 胆道癌 / LED光 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、癌組織へ集積する光感受性物質を用いた光線力学的療法が新たな低侵襲癌治療法として注目されている。本研究は、新規光感受性物質である水溶性リンポルフィリン錯体を用いた胆道癌細胞に対する光線力学的療法の癌細胞傷害機能の分子基盤およびマウス癌異種移植モデルを用いてその癌治療法の有用性を明らかにすることが目的である。そのため、水溶性リンポルフィリン錯体の胆道癌細胞株における細胞集積性、細胞内代謝機構、細胞内局在、および細胞死誘導機構を解明する。さらに、マウス癌異種移植モデルにおける水溶性リンポルフィリン錯体の癌抑制効果について既存薬剤と比較検討し、胆道癌に対する有用性を証明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、独自開発した水溶性リンポルフィリン錯体 (Ptpp) を用いた光線力学的療法 (PDT) における胆道癌細胞株 (NOZ) への細胞傷害作用の薬物動態および分子機構を明らかにした。Ptppの細胞内局在は、主にミトコンドリアへ集積することが分かった。さらに、Ptppを用いたPDTによる細胞死の形態は主にアポトーシスであった。アポトーシス誘導の分子機構は、Bax/Bcl-xL比の上昇によりCytochrome cが放出され、Caspase-3の活性化が誘導されることを明らかにした。本研究により、Ptppを用いたPDTが胆道癌に対して有用であることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胆道癌は早期発見が難しく、有効な化学療法も限られていることから難治性癌の1つとされている。近年、癌組織へ集積する光感受性物質を用いた光線力学的療法が新たな低侵襲癌治療法として注目されている。申請者らが開発した水溶性リンポルフィリン錯体が胆道癌細胞株に対して細胞傷害活性を示し、かつ従来の光感受性物質であるレザフェリンよりも低濃度(約1/200)で有効であった。本研究にて、その作用機序を解明したことにより、胆道癌への新たな有効物質の可能性の提供と今後の発展の礎を示すことが出来たと考える。
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