研究課題/領域番号 |
20K16400
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 (2021-2023) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2020) |
研究代表者 |
宇田川 智野 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (20774160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ファーマコゲノミクス / ゲノムワイド関連解析 / 免疫関連有害事象 / ニボルマブ / 有害事象 / バイオマーカー / GWAS |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤は、免疫機構の解除という非特異的な作用によるため、その結果として免疫関連有害事象(immune-related adverse event; irAE)と称される、ときに致死的な副作用が報告されている。従って、治療開始前にirAE出現リスクを予測するためのバイオマーカーを同定することは非常に重要であると考えられる。本研究では、ニボルマブによるirAEが出現した患者と出現していない患者の生殖細胞系列由来DNAを用いてゲノム網羅的に遺伝子多型解析を行い、個人ごとのirAE出現における遺伝的リスクを予測するシステムを開発する。
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研究成果の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤の一つであるニボルマブ(オプジーボ)の抗腫瘍効果は、免疫抑制機構の解除という非特異的な作用によるため、免疫関連有害事象(irAE)と称される副作用が報告されている。irAE出現の詳細なメカニズムは解明されていないが、irAE出現における個人のリスクを予測するためのバイオマーカーの同定は重要な課題である。本研究では622人の日本人を対象とし、ゲノムワイド関連解析を実施した。その結果、ニボルマブによる免疫関連有害事象との関連が示唆される90カ所の多型を同定した。また、有害事象の一つである甲状腺機能低下症との関連が示唆される一つの多型を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニボルマブによるirAEのリスクを評価するための予測マーカーを同定することは、がん患者に安全な治療を提供する上で重要である。本研究は、日本人集団を対象とした初めてのゲノム網羅的な解析であり、関連が示唆されるSNPsを同定した。有意な関連を示すSNPは認められなかったが、本研究成果はさらなる研究に繋がる仮説生成型研究であると考える。今後、追試験や機能的解析が展開されることで、臨床応用可能なマーカーの同定や、irAE発生のメカニズムの解明に貢献することが期待される。
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