研究課題/領域番号 |
20K16403
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
伊藤 寿宏 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 プロテオームリサーチプロジェクト, 特任研究員 (40806593)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 抗体医薬 / ヒト化抗体 / バイオインフォマティクス / タンパク質立体構造予測 / プロテオーム / バイオマーカー / デコンボリューション / 細胞不均一性 |
研究開始時の研究の概要 |
がん生検検体を用いたプロテオーム解析は、検体を採取直後に凍結保存できることから、タンパク質発現を生体内に極めて近い状態で測定することができる革新的な方法である。しかしながら、現行のプロテオーム解析技術では、がん組織に含まれる多様な細胞ごとのタンパク質発現プロファイルを取得することが困難である。本研究では、計算科学的手法の一つである細胞型デコンボリューション法をプロテオーム解析に適用し、細胞ごとのタンパク質発現プロファイルに基づく細胞組成解析手法を開発する。次いで、開発した解析手法を薬物治療前後に採取されたがん生検検体のプロテオーム解析に適用することで、薬効予測マーカーを探索する。
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研究成果の概要 |
本研究では、止血因子のキャリアタンパク質であるVWFを特異的に切断する酵素であるADAMTS13の過剰活性により生じる出血症の治療を目的として、抗マウスADAMTS13抗体A10とヒト抗体の組み換えによりヒト化A10抗体を作製した。抗体のカイネティクス解析の結果から、作製されたヒト化A10抗体はマウスA10抗体と比較しても遜色のない結合活性を有することが確認された。また、バイオインフォマティクス解析による抗体の立体構造予測の結果から、ヒト化A10抗体の相補性決定領域の立体構造が高度に保存されていたことから、抗体親和性に関与する領域の構造類似性が抗体の活性に影響することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植込型左室補助心臓(LVAD)を用いた治療において、ADAMTS13の過剰活性により生じる出血合併症は、同治療を実施している臨床現場において重篤な合併疾患として認識されているものの、有効な治療法はいまだ確立されていない。本研究では、既存の抗マウスADAMTS13抗体A10の臨床応用を目的としてヒト化A10抗体を作製した。LVADを用いた治療の症例は増加傾向にあることから、作製したヒト化抗体の臨床応用を目指している本研究の社会的意義は極めて高いといえる。また本研究では、抗原-抗体結合の分子機序を抗体の構造類似性の観点から検証したことから、関連する研究分野において新たな知見を提供することができた。
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