研究課題/領域番号 |
20K16414
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅井 歩 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (40783262)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | RNA修飾 / がん / バイオマーカー / 単分子シーケンサー / トンネルシークエンス技術 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに消化器がん患者の末梢血中における特定のmiRNAのメチル化の 検出が高精度ながんの診断に有用であることを報告してきた。RNA修飾は様々ながん種において重要であることが報告されているが、RNA修飾の傾向はがん種毎に異なるため、消化器がん以外ではどんなRNA中のどんな修飾が診断に有用か不明である。そこで、我々が確立したRNA修飾を網羅的に検出可能なトンネルシーケンス技術を用いて、様々ながん種におけるRNA修飾を網羅的に測定することで、がん種特異的なRNA修飾を同定し、末梢血中のRNA修飾情報で高精度にがんの原発巣の特定する診断技術の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではRNA修飾の検出によるがん診断法を様々ながん種に適用するために、単分子シーケンサーによるRNA修飾の検出技術の確立及び様々な臨床検体におけるRNA修飾の計測に取り組んだ。その結果、N6-Methyladenosine (m6A)や5-methylcytosine(5mC)などのRNA修飾のコンダクタンス値を取得し、無修飾拡散との判別技術を確立した。消化器系がん、婦人科系がん、泌尿器系がんなど計138検体におけるRNA修飾を計測済みであり、既存の技術では同定できなかったRNA修飾の同定も成功した。現在、がん種特異的なRNA修飾を解析中であり、その成果を公表する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の計測技術ではRNA修飾を網羅的に計測することは不可能だった。それゆえ、生体内におけるRNA修飾の役割は未だ不明な点が多い。本研究では単分子シーケンサーでRNA修飾技術を確立することで様々なRNA修飾を計測することが可能となり、生命科学研究の発展に大きく貢献するものである。 また、RNA修飾の検出による癌診断は消化器癌の特定のRNA修飾のみでしか検討されていなかった。本研究で様々なRNA修飾を様々な癌種で計測することで、癌種特異的なRNA修飾を同定し、様々な癌種においてRNA修飾の検出による癌診断を可能にすることは癌治療成績の向上に繋がり、臨床上・経済上において波及効果をもたらすものである。
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