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神経線維腫症2型に対する治療標的となる腫瘍微小環境の解明及び新規免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16424
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

小杉 健三  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30793484)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードNF2 / 神経鞘腫 / 微小環境 / 免疫療法 / ペプチドワクチン / VEGF-A / VEGFR / Neurofibromatosis type 2 / tumor-microenvironment / immunotherapy / peptide vaccine / 長鎖 / 制御性T細胞
研究開始時の研究の概要

我々はNF2に対してVEGFRを標的とした初の免疫療法を探索的臨床研究にて行い、良好な結果を得ている。その背景として、VEGF/VEGFRシグナル伝達系は悪性腫瘍だけでなく、大部分の難治性良性脳腫瘍でも亢進しており、我々の予備実験ではVEGFRは血管内皮細胞だけでなく腫瘍細胞や免疫抑制性細胞にも発現する可能性が示唆されている。そこで、本研究開発で特に腫瘍細胞や免疫抑制性細胞自身に発現するVEGFRの機能解析を行うことでNF2の新たな病態を提案すると同時に、それらを統合的に標的とし、より効果の高い新規免疫療法を考案する。本治療法はあらゆる難治性腫瘍に応用可能であり、汎用性の高いものである。

研究成果の概要

NF2に関連する神経鞘腫にはVEGFRを発現する抗腫瘍免疫抑制細胞である制御性T細胞(Treg)や腫瘍関連マクロファージ(TAM)を認め、特にTAMと神経鞘腫の増大に相関を認めた。また末梢血中の好中球とリンパ球比が腫瘍の増大に関わることも明らかにした。神経鞘腫細胞株の樹立にはやや難渋したが、計3株の樹立に成功し、その細胞株を用いて聴力障害を来すモデル動物を作成することに成功した。短鎖VEGFRペプチドでの免疫誘導効果は評価できたが、長鎖ペプチドの作製は困難であった。一方で、上記、腫瘍微小環境内に低酸素環境を有することも明らかとなり、新たな治療ターゲットとしてなり得ると考えている。

研究成果の学術的意義や社会的意義

VEGF/VEGFR系の亢進は多くの悪性腫瘍で報告されたシグナルであるが、本研究の様に、腫瘍細胞及び免疫抑制性細胞での発現を統合的に解析した報告は少なく、NF2等の良性腫瘍においては皆無である。また、我々は探索的臨床研究で、Bev不応例に対しVEGFRワクチンが著効した1例を経験している。この結果より、VEGFRはNF2の治療標的となる病態の根源である可能性を踏まえ、その多様な細胞におけるVEGFRの機能解析を行うことで新たな治療標的をも生み出し、さらなる効果的な治療戦略の開発につながると考えている。これは、その治療に関連した検体を保有する我々だからこそできる独自性の高い研究である。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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