研究課題
若手研究
本研究では、患者の血清および腫瘍サンプルから、MDSCの量やサブタイプ、表面ケモカイン受容体発現、血清中のケモカインの濃度を多数例で解析することにより、卵巣癌のMDSC浸潤と関連するケモカインネットワークを明らかにする。最終的には、どのケモカインを治療標的とするかを選択するための血清ケモカインパネルを作成するための基礎データを得ることを目的とする。
当該研究施設の婦人科癌患者の術前の血清を保管、また免疫染色の準備を進めている。対象患者の数の不足が懸念されるため、卵巣癌患者に加えて、子宮頸癌と子宮体癌患者についても対象に含めて研究計画の倫理審査を受けて受理された。また、臨床現場で遺伝子パネル検査が浸透し、対象患者は治療の経過中に遺伝子パネル検査を受ける可能性が高くなってきたため、この結果を臨床情報項目に追加して検討することも研究計画に含めた。卵巣癌・子宮頸癌・子宮体癌患者より治療前血清を収集し、保管している。今後CXCL1とCXCL2の濃度をELISA法で測定する。卵巣癌の免疫微小環境と免疫チェックポイント阻害薬の効果についてのレビュー論文をBritish Journal of Cancer誌に掲載した。腫瘍細胞のPD-L1発現によりリンパ球のPD-1受容体を通じて抗腫瘍免疫が抑制される単方向性の作用が注目されてきたが、実際にはリンパ球が分泌するインターフェロン-ガンマにより腫瘍細胞上にPD-L1が発現する作用を加えた双方向性の関係、またさらには骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)などの免疫抑制性細胞の作用やPD-L1・PD-1以外のB7-H3やVISTAといった免疫チェックポイント分子も関わる多方向性の関係が重要であることを示した。卵巣癌においては免疫チェックポイント阻害薬の効果が限定的であることが臨床上問題となっていること、そのブレークスルーは免疫抑制細胞などの他の因子による作用を治療標的にすることであると報告した。同内容を学会・研究会の講演で発表した。
4: 遅れている
当初の計画の共同研究機関で人事異動があり、患者のリクルートが滞ったため。コロナ禍により、対象患者数が減少していたため。
研究期間を1年延長し、患者リクルートに努める。免疫染色費用の高騰、オミックス解析費用の低下を鑑み、多数の免疫細胞の免疫染色よりも発現解析によるCIBERSORTで代用する方法を検討する。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件)
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