研究課題/領域番号 |
20K16436
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
小林 崇平 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (90846940)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 分子標的マーカー / 悪性腫瘍 / 臨床検査 / 抗体医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の個別化(層別化)医療の考えからがん遺伝子パネル検査が保険収載された。原発不明癌や標準治療が不応となった患者において免疫チェックポイント阻害剤や適応外治療薬等の治療に結び付ける。最適な治療薬を探す目的からであるが、現状治療に繋がる割合が1割とかなりの低確率である。わが国における使用可能な分子標的薬が少ないということが要因としてあげられる。本研究では新規分子標的FIRΔexon2は、抗FIRΔexon2自己抗体の癌患者血清中に検出することを目的として臨床検体を用いたコンパニオンバイオマーカーとしての意義を検討し予後や治療反応性など臨床的意義や発現機序の解明を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究では、先ず抗FIRΔexon2自己抗体の存在を癌患者血清中で検証し、その結果を踏まえ、患者の予後および治療反応性に本自己抗体がマーカーとして臨床応用できるか否かを解明することであった。ゆえに、抗FIRΔexon2自己抗体の検出および抗体量が癌腫で特異的に増加しているか?そして、既存腫瘍マーカーよりも臨床的意義を見出せるか?を具体的な到達目標とし以下の2課題を上程した。課題1:主に消化器癌における抗FIRΔexon2自己抗体の臨床的意義の解析。研究成果は、AlphaLISA法を用いて食道癌患者と健常者間で本抗体量の比較解析から2群間に有意差を見出した。本抗体は既存腫瘍マーカーとの相関は認めなかった。また、ROC曲線解析より他の腫瘍マーカーよりも最も高いAUC値を示した。さらに、診断効率向上を目的に組合せアルゴリズムを開発した。その結果、抗FIRΔexon2自己抗体+p53抗体の組合せは抗FIRΔexon2自己抗体単独よりも高いAUC値が得られ、食道癌患者における臨床的有用性を報告した(Sohei Kobayashi. et al, Cancer sci 2019;110:6.)。さらに、胃癌・大腸癌患者を対象に本研究を深化させ、胃癌患者でも高い臨床的有用性を証明し論文報告した(Sohei Kobayashi. et al, Cancer sci 2021;112:2.)。現在は、大腸癌患者における研究成果を論文投稿中である。課題2:サンドイッチELISA確立のための抗体作製とAlphaLISA法との臨床的意義をすり合わせすること。研究成果は、ファージディスプレイ法を用いて不安定な構造を持つFIRΔexon2のアミノ末端に対するモノクローナル抗体の作製に成功した。作製したモノクローナル抗体の性能評価を実施し、最終的にサンドイッチELISA法の開発に到達した。また、作製したモノクローナル抗体が抗がん作用を有する可能性をも示唆するに至った。現在は更なる感度を高めるべく改良中である。
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