研究課題/領域番号 |
20K16441
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
光藤 傑 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00828410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 膵癌 / 腫瘍関連マクロファージ / 治療抵抗性 / Mac2-binding protein / M2マクロファージ / 膵がん / M2BP / 化学療法抵抗性 / Mac-2 binding protein / 浸潤性膵管がん |
研究開始時の研究の概要 |
膵がん切除サンプルに対して、抗M2BP抗体を用いた免疫染色を行い、M2BP陽性腫瘍関連マクロファージの分布と予後に関連があるか検討する。先行研究では、膵がん切除検体の蛍光二重免疫染色によって、M2BPを発現した腫瘍関連マクロファージを腫瘍周囲に確認している。 in vitroにおいて、膵がん細胞とM0マクロファージを共培養することで膵がん細胞の分泌するM2BPによってM2マクロファージが誘導されるかどうか検討し、M2BPとの関連を評価する。 in vivoにおいては、マウス皮下腫瘍モデルを用いて膵がん細胞とM2BP有無における腫瘍増殖や転移、化学療法抵抗性の確認を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、肝線維化のマーカーとして臨床応用され、様々な癌腫において発現が上昇し予後不良との関連が報告されているMac2-binding protein (M2BP)が膵癌における腫瘍関連マクロファージに与える影響に着目した。術前治療なしの膵癌切除標本における腫瘍関連マクロファージを免疫染色で評価すると、M2BP発現と腫瘍関連マクロファージのマーカーであるCD206が一致したことよりM2BPが腫瘍関連マクロファージを誘導する可能性が示唆された。膵癌細胞株の親株とゲムシタビン耐性株のM2BP発現を評価すると、親株と比較してゲムシタビン耐性株の方がM2BP発現が高いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
浸潤性膵管癌(以下、膵癌)は、集学的治療の開発が積極的に進められているが、その治療成績は未だ十分なものとは言えず、癌の治療抵抗性に関わる機序解明および新規治療標的の開発が今後も必要とされている。本研究では様々な癌腫において発現の上昇しているM2BPが、膵癌において腫瘍の悪性度をもたらす腫瘍関連マクロファージを誘導する可能性を見出した。M2BPによる腫瘍関連マクロファージの誘導を抑制し、膵癌の治療抵抗性を制御することで、M2BPが新たな治療標的となり治療戦略の一助になり得ると考えている。
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