研究課題/領域番号 |
20K16443
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
内田 有紀 島根大学, 医学部, 医科医員 (60868719)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インターロイキン18 / 抗体 / 膵臓がん / 5-フルオロウラシル / IL-18 / Pancreatic cancer / 膵がん / 分子標的治療 / 抗体治療薬 |
研究開始時の研究の概要 |
膵がんは、他の悪性腫瘍と比較して有効な治療薬が少なく、未だに予後不良な疾患であり、新規の治療薬開発が求められている。これまでの研究で、膵がんの増殖は炎症性サイトカインの一つである、「インターロイキン(Interleukin/IL)-18」と密接に関係することが知られている。申請者らは活性型IL-18に対する阻害抗体を新規に開発した。当研究ではこの抗体を抗がん剤と併用して膵がん細胞に対する治療実験を行い、抗体治療薬としての可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
IL-18発現ががん細胞に与える影響を検討するため、遺伝子編集技術を利用してIL-18遺伝子を欠損させたMIA PaCa-2膵がん細胞株(MIA PaCa-2 / IL-18 KO)を樹立した。親株と比較して、IL-18 KO細胞は増殖能やヌードマウスへの造腫瘍能に差が見られなかった。またMIA PaCa-2担がんマウスを準備し、5-FU投与による活性型IL-18誘導を検討したが、明らかな誘導は観察できなかった。一方でマウス活性型IL-18に対する新規阻害抗体を作製し、その成果を論文や学会で報告した。また5-FUによる膵がん細胞での活性型IL-18産生メカニズムについて一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではIL-18欠損MIA PaCa-2細胞を作製してその影響を調べたが、自身の増殖や造腫瘍性には影響がないことが示された。がん細胞で発現するIL-18は、細胞自身ではなく周囲のがん微小環境に影響を及ぼしている可能性がある。また抗がん剤5-FUによりヒト膵がん細胞から活性型IL-18が産生されること、そこにはパイロトーシスが関与することを明らかにした。さらに本研究では世界で初めてマウス活性型IL-18に対する阻害抗体を作製した。この抗体はがん研究のみならず、IL-18が関連する炎症性疾患モデルマウスの治療実験に応用できる可能性があり、大きな学術的成果が得られたと考えている。
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