研究課題
若手研究
非小細胞肺癌の治療において、これまでに放射線治療後の免疫チェックポイント阻害薬の投与により治療成績の改善が得られることが報告されている。放射線治療後の免疫チェックポイント阻害薬投与は、免疫システムの活性化によって効果を増強させる可能性があるが、ヒトにおけるこのメカニズムと最適な放射線治療線量や免疫チェックポイント阻害薬の最適な投与タイミングは不明である。本研究ではそのメカニズムの解明のため、末梢血の網羅的解析、蛍光多重免疫染色による検討を行う。本研究により、放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法による治療効果が最大限に得られる最適な治療戦略を確立することが期待される。
本研究では、放射線療法が宿主免疫に与える影響を網羅的に解析し、肺癌において宿主免疫を活性化するための至適な放射線照射量、および放射線治療後の免疫チェックポイント阻害薬の至適投与タイミングを同定することを目的としている。本研究により、宿主免疫を活性化する至適な放射線照射量および放射線治療に続く免疫チェックポイント阻害剤の至適投与タイミングが同定されれば、新たな放射線治療と免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の治療戦略を確立することができ、免疫チェックポイント阻害剤単剤投与では恩恵が得られない患者や、免役チェックポイント阻害剤に薬剤耐性を獲得した患者への治療法開発に貢献することができる可能性がある。当該年度の進捗状況としては、非小細胞肺癌に対する根治照射や緩和照射、定位照射を含む放射線治療症例を対象とした症例集積および治療前後の採血を継続している。現時点で目標症例数には到達していないが、引き続き対象症例の集積を続けている。2024年度中に、集積した症例に対する臨床効果を含めた生存解析や免疫関連有害事象との関連解析を含めた解析を予定している。
3: やや遅れている
新規症例数が減少していることに伴い、目標症例数までの集積が得られていない。
引き続き、症例の集積を続けていく。新規症例の集積のため、他院からの紹介症例を可能な限り増加させている。また、症例により予定の採血ポイント通りでの検体採取が出来ていないケースがあり、可能な限り計画通りに検体採取ができるよう留意する。2024年度中に集積した症例における解析を実施する。
すべて 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 5件)
Cancers
巻: 16 号: 1 ページ: 47-47
10.3390/cancers16010047
OncoImmunology
巻: 11 号: 1 ページ: 2081010-2081010
10.1080/2162402x.2022.2081010
International Journal of Molecular Sciences
巻: 23 号: 22 ページ: 13723-13723
10.3390/ijms232213723
Eur J Cancer
巻: 166 ページ: 41-50
10.1016/j.ejca.2022.02.006
Cancer Science
巻: 113 号: 1 ページ: 221-228
10.1111/cas.15176
European Journal of Cancer
巻: 159 ページ: 144-153
10.1016/j.ejca.2021.09.041
Thoracic Cancer
巻: 12 号: 3 ページ: 397-401
10.1111/1759-7714.13772
Cancer Immunology Research
巻: 8 号: 10 ページ: 1236-1242
10.1158/2326-6066.cir-20-0051