研究課題/領域番号 |
20K16455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
前島 多絵 帝京大学, 薬学部, 助教 (00862583)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ビッグデータ / JADER / 乳がん / 抗精神病薬 / ブロナンセリン / MCF-7 / 経胎盤投与 / アトピー性皮膚炎 / 血栓塞栓症 / 多剤併用 / 乳房腫瘍 / 高プロラクチン血症 / MCF-7細胞 / エストロゲン受容体 / in silico / ヒト乳がん培養細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
エストロゲン依存性乳がんは乳がん全体の約8割を占め、エストロゲン受容体(ER)刺激作用を有する薬物は、乳がんの発症や増悪のリスク要因となり得る。 本研究では、臨床実態を反映するビッグデータの解析から乳がん関連の有害事象の報告が多い薬物を抽出し、そのなかで、ERに対する影響が未知の薬物を対象として、薬物の物理化学的性質をもとにERへ結合能を機械学習モデルで予測する。さらにヒト乳がん培養細胞を用いた実験でその作用を検証する。 様々な薬物のERへの影響を明らかにすることで、エストロゲン依存性乳がんの予防や増悪の回避、あるいは併存疾患の治療における適切な薬物の選択に有用なデータの創出が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、ビッグデータの解析、in silico予測および細胞実験により、抗精神病薬が乳がんの発症や増悪に及ぼす影響を解析した。本邦の医薬品副作用データベースを用いて不均衡分析を行った結果、乳がんにおいて3種類すべてのシグナルが検出された抗精神病薬は無かった。また、抗精神病薬がエストロゲン受容体陽性ヒト乳がん細胞(MCF-7)の増殖に及ぼす影響を評価した結果、ブロナンセリンがMCF-7増殖抑制作用を有することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ビッグデータの解析、in silico予測および細胞実験による検証を用いて、抗精神病薬が乳がんの発症や増悪に及ぼす影響を評価した。その結果、ブロナンセリンがエストロゲン陽性ヒト乳がん細胞に対して増殖抑制作用を有することを明らかにした。ブロナンセリンは本邦で開発された非定型抗精神病薬であり、内服薬の他に貼付剤も使用されている。今後、作用機序や他の乳がん細胞に対する影響等を明らかにすることで、抗精神病薬の選択の際に考慮すべき作用となる可能性がある。
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