研究課題/領域番号 |
20K16460
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
渡邊 慶介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (60847466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ATLL / CTCL / PTCL / CCR4 / CART細胞療法 / モガムリズマブ / CART細胞 / T細胞性リンパ腫 / キメラ抗原受容体 / 成人T細胞白血病 / T細胞性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
成人におけるT細胞性腫瘍は難治性であり、新規治療法の開発が不可欠である。申請者は、T細胞性腫瘍に対するCART 細胞を樹立し、マウスモデルにて腫瘍の治癒を含む有効性を確認した。本研究では、この成果を臨床応用可能なものへと発展させる事を目指す。具体的には、ヒトの腫瘍免疫において重要な要素を評価し得る二つ新たなマウスモデルでCART細胞の効果・有害事象および作用機序をより詳細に明らかにする事、また、患者由来T細胞から臨床応用可能なグレードでCART細胞を試験樹立し、調製効率および樹立されたCART細胞製剤の機能を明らかにする事を目的として研究を行う。
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研究成果の概要 |
成人T細胞性白血病・リンパ腫 (ATLL)や皮膚T細胞性リンパ腫 (CTCL)等のT細胞性腫瘍は、従来の化学療法に耐性で予後不良である。我々はこれまでにT細胞性腫瘍に発現するCCR4を認識するCART細胞 (CCR4CART細胞)を樹立した。本研究課題では、そのCART細胞の詳細評価を行い、ATLL細胞株ゼノグラフトモデルでの効果やモガムリズマブ療法耐性モデルでの高い効果を証明した。また、腫瘍細胞の混入する患者由来細胞を用いたCART細胞試験製造にも成功、かつ、製剤内腫瘍細胞の消失を確認し、本CART細胞製剤の臨床応用の可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦は先進国で唯一のHTLV-1感染流行国で、ATLL等の関連疾患の研究や治療法開発にて世界をリードしてきた。成果としてモガムリズマブをはじめ多くの日本発の製剤が開発されたが、未だ治癒をもたらす治療法は確立していない。我々の開発したCART細胞は、従来法にない患者の治癒をもたらすもので、多くのATLL患者が恩恵を得られるとともに、本邦の国策ともいえるATLL研究に大きな影響を与えるものである。また、これまで、B細胞性血液腫瘍に対し効果が示されてきたCART細胞療法の対象を、T細胞性腫瘍に拡大するもので、免疫細胞療法開発の面でも意義が大きい。
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