研究課題/領域番号 |
20K16467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
田代 祥一 杏林大学, 医学部, 講師 (70528893)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 非侵襲的脳刺激 / 経頭蓋交流電気刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
非侵襲的脳刺激のうち,経頭蓋交流電気刺激(TACS)の機序と効果に注目が集まっている.本研究では,より特異的かつ高い効果が一部報告されている局所型TACSの作用を横断的に調べることで,臨床応用への道筋を示すことを目的とする.①健常者における最適な周波数帯,刺激強度,刺激時間等基本的パラメータの検討,②慢性期脳卒中上肢麻痺患者に対する機能的作業療法に対する修飾効果の検討を行う予定である.
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研究成果の概要 |
非侵襲的交流電気刺激(tACS: transcranial alternating current stimulation) を臨床研究のステージまで引き上げることを目的に研究を行った。皮質脊髄路興奮性増強効果という観点から、刺激周波数、刺激強度について精査し、持続的に増強/抑制性に作用する条件の他、刺激直後は抑制性に作用するが経時的に興奮性に作用する条件の存在を見出した。 最も時間・効果に優れたβ-tACSでは、刺激強度を高めても効果は変化せず、むしろ刺激強度が低い方が持続的な効果を示した。10分間の0.5 mAでのβ-tACSの効果は30分以上持続しており、臨床に利用可能であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮質脊髄路興奮性を高めることでリハビリテーションの効率を上げるという治療戦略に関して、望ましいtACSの刺激条件が明らかとなった。外来リハビリテーションで十分に可能な刺激時間と効果、持続時間を有しており、有用な治療手段となる可能性が明らかとなった。特に慢性期の脳卒中や頭部外傷、脊髄損傷などにおいては、リハビリテーションの効果が限られ、新しい治療手段の探索が希求されており、その社会的要請に応える研究成果を上げられたと考えられる。
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