研究課題/領域番号 |
20K16471
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
瀬戸川 剛 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (80840785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 報酬価値 / サル / 意思決定 / 化学遺伝学 / 眼窩前頭皮質 / 尾状核 / 行動決定 / 線条体 / ニホンザル |
研究開始時の研究の概要 |
状況に応じて適切な行動を選択することは、私たちが豊かな生活を送る上で欠かせない認知機能の一つである。これまでの研究により、眼窩前頭皮質が行動決定を行う上で重要となる各選択肢の報酬の価値の計算および比較を行っていることが明らかとなった。本研究では、化学遺伝学的手法であるDREADD技術を用いてサルの眼窩前頭皮質-線条体の神経活動を特異的に不活性化することで、この経路が行動決定に果たす役割を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
我々は状況に応じて適切な行動を選択している。申請者はこれまでに、眼窩前頭皮質がこのような行動決定を行う上で重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。本研究では眼窩前頭皮質から尾状核への神経回路の活動を化学遺伝学的手法であるDREADD技術によって抑制することで、行動決定における同神経回路の役割を調べることを目的とした。サルの尾状核に逆行性ウイルスベクターを用いて抑制性DREADDを発現させ、リガンドであるDCZの全身投与および眼窩前頭皮質への局所注入実験を行った。その結果、尾状核および尾状核への投射経路抑制が行動決定を行う上で重要な報酬価値の推定に影響を与えていることを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外部からの感覚入力が複数の脳領域間でどのように処理されていっているのかを解明することは、我々の複雑な認知機能の処理過程を理解するために必要不可欠である。本研究課題では特に報酬価値に基づく行動決定に着目し、化学遺伝学的手法をサルに導入することで、線条体の尾状核および前頭葉の眼窩前頭皮質から尾状核への神経投射が行動決定を行う上で重要な報酬価値の推定に関わっている可能性を示唆する結果を得た。本研究成果は、前頭葉や線条体の障害で適切な選択行動が阻害されている患者の治療法に対して基礎研究の面から貢献できるのではないかと期待している。
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