研究課題/領域番号 |
20K16481
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢口 裕章 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (00421975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脳炎 / Sez6l2 / 小脳性運動失調症 / 認知症 / 抗神経抗体 / 自己抗体 / 小脳失調 / Sez6l2抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
近年自己免疫性小脳性運動失調症の疾患概念が確立されつつあるが、未だ病原性の確認された抗体の同定は十分ではない。申請者は患者血清において小脳タンパク質を認識する抗体を同定しその抗原がSez6l2であることを質量分析計を用いて解明した。本申請では申請者は、全国規模の研究を通して抗Sez6l2抗体陽性者の疾患概念の確立を図る。さらに抗Sez6l2抗体陰性症例から、先行研究において確立した手法を用いて新たな抗神経抗体の同定を図る。今回の抗神経抗体の検討により新たな疾患概念が確立し、これまで確定診断がなされていなかった小脳性運動失調症患者の一部が診断可能となり、根治療法の確立が期待できる。
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研究実績の概要 |
神経疾患において抗神経抗体が注目され、これまでは神経抗体などに起因する免疫学的機序との関連が乏しいと考えられていた神経疾患においても、免疫学的機序が発症病態に関与していることが想定され、その知見に基づいた根治療法研究へと進展している。適切な診断と治療のために、自己免疫性小脳失調症の概念と診断方法の確立が必要である。申請者は、平成25年度に科研費(研究活動スタート支援)を拝受し研究を進め、2014年に新規自己抗体の抗Sez6l2抗体を同定した(Yaguchi et al. J Neurol 2014)。さらに、申請者は2018年に抗Sez6l2抗体の病原性を分子生物学的に証明した(Yaguchi et al. BBRC 2018, Yaguchi et al. J Neurol 2018)。2019年にはドイツから我々の実験データを基として、抗Sez6l2抗体陽性の小脳失調症例が追加報告され(Borsche et al. J Neurol. 2019)、我々の研究の重要性が確認された。本研究では、本邦における抗Sez6l2抗体多数例の同定を目的とした。またその後、抗神経抗体領域において世界最大の研究グループであるDalmau博士らから『原因不明の小脳性運動失調症患者の4.2%にSez6l2抗体が陽性である』 (Landa J et al. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2020)と追加報告がなされ、その重要性が確立している。 本研究では多施設共同研究において本邦でも複数の抗Sez6l2抗体陽性を確認し、2022年第63回日本神経学会学術大会シンポジウムでは『Sez6l2抗体と小脳性運動失調症』として講演し、さらにJournal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌に採択となった。
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