研究課題/領域番号 |
20K16489
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横井 聡 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (30815460)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / シナプス / アンチセンスオリゴ / iPS細胞由来運動神経 / iPS細胞 / CRISPR/Cas9 / FUS |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は根治薬のない難治性の神経変性疾患である。日本の遺伝性ALSの原因遺伝子であるfused-in sarcoma(FUS)はRNA結合蛋白質である。マウスから得られた、FUSのシナプス蛋白質のRNA制御機構に基づき、シナプス蛋白質の遺伝子に新規変異があるALS患者を抽出し、iPS細胞由来運動神経を用いてFUSが引き起こすRNAの代謝異常を解明する。詳細な機構がわかれば、RNA代謝異常を是正する化合物を開発し、治療薬開発に結び付ける。
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研究成果の概要 |
シナプス蛋白質のSynGAPが筋萎縮性側索硬化症の病態生理に関係しているかを調べるべく、JaCALSデータベースからSynGAP 3'UTRの新規変異を発見し、患者由来のSynGAP新規変異を導入したiPS細胞由来運動神経ではSynGAPのスプライシング変化およびシナプス数の減少が確認された。さらにFUSとhnRNPKは新規変異によりSynGAP mRNAに過結合していることも新たに発見した。hnRNPKの過結合を抑制するアンチセンスオリゴはシナプス数を回復することが分かった。患者由来SynGAP変異は早期病態を引き起こし、RNA結合タンパク質の過結合は新たな病態機序である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
未だに発症原因が解明されていない筋萎縮性側索硬化症において、本研究はシナプスタンパク質が病態に関わっており、さらにRNA結合蛋白質の過結合がシナプス異常を引き起こすスプライシング異常にかかわっていることも初めて発見した。さらに過結合を是正するアンチセンスオリゴがシナプス異常を是正できた。これらの知見は、治療薬がない筋萎縮性側索硬化症の今後の治療薬開発において、ごく局所のRNA代謝異常をターゲットにする重要性が示唆された。
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