研究課題/領域番号 |
20K16493
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤村 正典 京都大学, 医学研究科, 助教 (60852423)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | αシヌクレイン / 伝播 / パーキンソン病 / RBD / 睡眠脳波 / マーモセット |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は運動障害を特徴とする神経変性疾患である。早期診断のマーカーとして注目されているレム睡眠行動異常症(RBD)に着目し、霊長類モデルを使用しRBDの詳細な回路機序や病態の解明を目指す。これまで主にげっ歯類を使用した研究によりPDの原因であるα-Synの凝集体はプリオンタンパク質のように神経細胞から神経細胞へと次々と伝播し増幅していくことが示されていた。我々はマーモセットの嗅球にα-Syn凝集体を接種することで、嗅覚系にα-Syn凝集体が伝播することを確認し、この新しいマーモセットモデルを使用することでPDの前駆症状として知られているRBDの解析を試みる。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)の早期診断のマーカーとしてPDの前駆症状としてレム睡眠行動異常症(RBD)が注目されているが霊長類では報告がない。本研究課題ではマーモセットにワイヤレス脳波・筋電図測定を行うことでレム・ノンレムの同定に成功し、霊長類の長時間睡眠脳波の測定技術を確立した。さらに嗅球や消化管にα-Syn凝集体を接種することで、α-Syn凝集体が脳内へと伝播する霊長類PDモデルの作製し、RBD様症状が出現することを確かめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで睡眠研究は主にげっ歯類を用いて行われてきた。しかしながらげっ歯類の睡眠パターンは夜行性・多相性睡眠であり、霊長類は昼行性・単相性睡眠であることから大きく異なる。このため霊長類での睡眠研究が必要と考えられるが、これまで報告は限定的だった。本研究課題では霊長類での長期睡眠脳波測定を実現した。さらにこの睡眠測定技術を用いて、PDで注目されているRBDの再現に成功した。これらは霊長類での睡眠研究の基礎技術となり、さらにPDの早期診断や病態解明にも役立つものである。
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