研究課題/領域番号 |
20K16497
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉山 慎太郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (50839636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝-脳連関機構 / 脳梗塞 / Tight junction / Claudin3 / 胆汁酸 / occludin / Claudin5 / Tricellulin / Claudin 3 / 肝脳連関 / 上皮細胞間バリア |
研究開始時の研究の概要 |
肝性脳症の病態として肝障害で増加する血中アンモニアが脳の炎症を惹起すると考えられているが,血中アンモニア以外に脳機能を障害する未知の肝由来物質の存在が強く示唆され、肝-脳連関の制御機構に不明な点が多い。 肝臓上皮細胞間バリアの機能低下マウスにて胆汁酸などの肝由来物質が血中に漏出すると報告された。当該マウスの脳機能障害の可能性を検討し、脳炎症が惹起されることを見出した。 本研究では、肝臓上皮細胞間バリアの機能低下マウスを軸に肝-脳連関を伝達する未知の肝由来物質を同定し、メカニズムや神経病態への関与を明らかにする。肝性脳症等の原因不明の脳症や認知症に対する予防・診断・治療の開発につながると期待される。
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研究実績の概要 |
Cldn3KOマウスやメタボローム解析を基盤とし上皮細胞間バリアの視点から肝-脳連関を担う伝達物質を新規に同定し、肝-脳連関の制御機構・生理的意義・病態との関連の解明を目的とした。肝-脳連関を担う肝由来物質の同定,肝由来物質の脳への伝達機構の解明、肝由来物質による脳機能制御機構の解明を目指した。肝由来物質による脳機能制御機構の解明においては、Cldn3KOマウスにて神経発達障害・脳炎・脳浮腫などの脳機能低下の評価、Cldn3KOマウス脳における胆汁酸シグナルの解析、胆汁酸シグナル経路の抑制・活性化による脳機能制御の実証を目指した。脳機能低下の評価を目的に、Cldn3KOマウスに対して光凝固モデルで脳梗塞作成や高脂肪食負荷を行い、脳梗塞体積や運動機能を評価し、血液サンプルや脳サンプルを蓄積した。その結果、光凝固モデルの脳梗塞では、Cldn3KOマウスとCldn2,3-dKOマウス、WTマウスの脳梗塞体積に差がないことが判明した。その他の点についても解析中で今後論文化していく予定である。 脳梗塞におけるCldn-3KOの解析する中で、occludinとCldnの両者が相互に協調しながらBBBの機能を制御することが分かったので、occludin KOマウスで脳梗塞におけるoccludinの意義を検討した。WTマウスでは脳梗塞後にoccludin、Cldn5、ZO-1のmRNA発現は急性期から低下し,occludinと同じTAMPsファミリーのTricellulinは脳梗塞後6時間まで維持されていたが,その後徐々に減少した。occludin KOマウスではCldn5とZO-1の発現が低下し、脳梗塞後では梗塞体積と血管外漏出が増加し、急性期から慢性期に至るまでBBB障害を惹起し、血管新生も抑制され、これらが神経学的な悪化をもたらすと考えられた。
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