研究課題/領域番号 |
20K16505
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
太田 真 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (70816751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / 病態生化学 / パーキンソン病 / モノアミンオキシダーゼ-B / 細胞内クリアランス / αシヌクレイン / 細胞生物学 / 細胞外分泌 / MAOB |
研究開始時の研究の概要 |
国外の研究において、αシヌクレインはMAO-Bと結合して酵素活性を上昇させ、さらにαシヌクレインのC末端切断を誘導する酵素を活性化させて神経毒性を発揮することが報告されている。本研究は、MAO-B発現欠損によるαシヌクレインの神経毒性に対する効果および細胞間伝播に対する効果を解明することによって、MAO-B阻害薬の可能性を拡げ、新しいパーキンソン病治療法の開拓に寄与することを目的とする。
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研究成果の概要 |
モノアミンオキシダーゼ-B(MAO-B)欠損がパーキンソン病におけるドパミン神経細胞の脱落を緩和・抑制するのかを調べるため、MAO-Bの発現欠損によるαシヌクレイン神経毒性への効果およびMAO-B阻害によるαシヌクレインの細胞内クリアランスに対する効果を解析した。その結果、MAO-Bノックアウトマウスの線条体ではαシヌクレインの不溶性化が促されていた。マウス大脳皮質初代神経細胞においてMAO-B阻害は、αシヌクレインの細胞外分泌を促進させていた。MAO-B発現欠損と活性阻害は、αシヌクレインの代謝に影響を及ぼすことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MAO-B阻害薬は、神経保護効果を有する可能性が長い間議論されている。MAO-B阻害薬の投与は、ラットにおいて過剰発現したαシヌクレインの凝集体形成を抑制することが知られている。MAO-Bノックアウトマウス脳ではαシヌクレインの不溶性化が促され、一方でMAO-B阻害はαシヌクレインの細胞内からのクリアランスを促進する可能性が示唆された。本研究結果は、MAO-Bの発現欠損と活性阻害では、αシヌクレインに与える効果が異なる可能性を示唆した。MAO-B阻害と発現欠損の効果は、MAO-Bを標的とした神経保護効果を明らかにする上で検討すべき課題と考えられた。
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