研究課題/領域番号 |
20K16506
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
重清 太郎 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (00849622)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 神経変性疾患 / 病態生化学 / 細胞生物学 / パーキンソン病 / 細胞外分泌 / αシヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病の病変拡大機序として、αシヌクレインのプリオン様伝播が考えられている。このプリオン様伝播は、細胞外へのαシヌクレイン凝集物の分泌、神経細胞内への取り 込み、取り込んだ細胞内での正常αシヌクレインの凝集化といったサイクルから構成される。αシヌクレインの細胞外分泌機構は、伝播サイクルを遮断させる重要な標的である。しかし、αシヌクレインの細胞外分泌をダイナミックに調節する機構は、ほとんど不明である。本研究は、分泌小胞を介したドパミン放出とαシヌクレインの細胞外分泌との機能的関連から、αシヌクレイン細胞外分泌の調節機構を解明することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
パーキンソン病の病態に関与するαシヌクレインの細胞間伝播を解明するため、αシヌクレインの細胞外分泌機序を検討した。マウス大脳皮質初代神経細胞およびSH-SY5Y細胞を用いて細胞生物学的に解析した。その結果、αシヌクレインの細胞外分泌は小胞体・ゴルジ体を経る古典的な分泌経路を介するのではなく、非古典的な経路を介することが示唆された。神経細胞において神経活動の上昇がαシヌクレインの細胞外分泌を刺激し、この反応は細胞内カルシウム濃度の上昇およびRab8aの機能を介して行われることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
αシヌクレインの細胞間伝播はパーキンソン病の発症と進行に深く関与している。本研究では、神経活動性の上昇が細胞内カルシウム濃度の上昇およびRab8aを介してαシヌクレインの細胞外分泌を促進させることを見出した。この所見は、αシヌクレインの細胞外分泌の観点から細胞間伝播機序を明らかにするものである。αシヌクレインの細胞外分泌を調節することによって、パーキンソン病の神経変性を抑える方法の開発に繋がるものと考える。
|