研究課題/領域番号 |
20K16508
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
田中 良法 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (00747933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | プログラニュリン / 解糖系 / オートファジー / 乳酸 / リソソーム / progranulin / TDP-43 / 神経変性 |
研究開始時の研究の概要 |
前頭側頭葉変性症(FTLD)は、大脳の前頭葉や側頭葉の萎縮を特徴とする進行性の神経変性疾患であるが、その発症機構は明らかとなっていない。神経病理学的にFTLDは、神経細胞などに蓄積する病因タンパク質の違いによって分類されているが、いつ、どのように病因タンパク質が蓄積するのか明らかとなっていない。本研究では、核タンパク質TDP-43の細胞質内蓄積を特徴とするFTLDの原因遺伝子プログラニュリン(PGRN)に着目し、PGRNが神経変性を抑制する機構を明らかにする。特に、PGRNの働きが想定されているリソソームの制御におけるPGRNと解糖系の相互作用に着目し、研究を展開する。
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研究成果の概要 |
核タンパク質TDP-43の細胞質内蓄積を特徴とする前頭側頭葉変性症(FTLD-TDP)の原因タンパク質プログラニュリン(PGRN)のリソソームにおける働きを仲介する因子の探索を行い、解糖系を構成する酵素であるホスホグリセリン酸キナーゼ1(PGK1)を候補因子として同定した。PGRNとPGK1は共にリソソームの酸性化とオートファジックフラックスを正に制御し、易凝集性のTDP-43の蓄積を抑制した。PGK1の発現抑制下では、PGRNのリソソーム酸性化促進作用は認められなかった。また、PGRN欠損細胞では、解糖系の活性が低下することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FTLD-TDPは難病指定されている神経変性疾患である。発症機構が明らかになっていないため、効果的な予防法や治療法が存在しない。本研究成果によって、FTLD-TDPの原因タンパク質と解糖系に相互作用があり、これらが協調してオートファジー・リソソーム系や解糖系を制御していることが示唆された。詳細なメカニズムの解明によってFTLD-TDPの新たな側面が明らかとなり、新規治療法の開発につながることが期待できる。
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