研究課題/領域番号 |
20K16510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2021) 生理学研究所 (2020) |
研究代表者 |
竹田 育子 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (30746300)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アストロサイト / 慢性疼痛 / 経頭蓋直流電気刺激 / 神経回路 / スパイン |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疼痛は急性疾患後に耐えがたい痛みが続く難治性疾患であり、その根治療法は未だ確立されていない。本研究では人への応用可能な方法で、神経障害性疼痛モデルマウスを用いてアストロサイト(グリア細胞)をターゲットとする慢性疼痛の新たな治療法の開拓を目的としている。 具体的には疼痛形成急性期に再編成され慢性期まで維持されている疼痛関連神経回路を、疼痛持続期に再び再編成を誘導し、痛覚閾値を正常まで戻す根治療法である。そのために、一次体性感覚野(S1)のアストロサイトの活性化を起こし、疼痛関連神経回路と触覚回路とが切り離された新たな回路を形成し、感覚の正常回復を図る。
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研究成果の概要 |
慢性疼痛は耐えがたい痛みが続く疾患でありその根治療法は確立されていない。本研究ではグリア細胞の一種であるアストロサイトに着目しマウスのおける一次体性感覚野(S1)の疼痛関連神経回路を組み換える慢性疼痛の根治療法を確立した。 疼痛慢性化に関与しているS1の疼痛関連回路を経頭蓋直流電気刺激を用いて人工的にアストロサイトを活性化させることで可塑性を誘導し慢性疼痛緩和へと導いた。経時的にS1第5層神経細胞のスパインイメージングを行ったところ、治療群においてシナプス入れ替わりが亢進しており、回路再編成が誘導される機序が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人における慢性疼痛の標準治療は痛みの軽減が目標の鎮痛薬内服が主流である。S1を治療標的とした研究では慢性疼痛へ移行抑制するための傷害急性期の治療(発症予防)であるが、すべての急性疼痛患者に治療適応することは困難である。本研究はこれまでと異なり、慢性疼痛となった後の根治療法としてアストロサイトを標的として用いている。アストロサイトを活性化する方法として用いる経頭蓋直流電気刺激においてはすでに慢性疼痛でも使用されており、トランスレーショナルリサーチとして人への応用も可能と考えられ、本治療法を人に応用することができれば患者のQOLを上昇させることも可能である。
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