研究課題/領域番号 |
20K16511
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
根山 広行 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (70846609)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リゾホスファチジン酸 / ミクログリア / PET / 線維筋痛症 |
研究開始時の研究の概要 |
線維筋痛症はストレスが原因の一つとして挙げられているが、その病態メカニズムは不明である。研究代表者は、断続的繰り返しの心理的ストレスをマウスに与えることで長期の疼痛過敏を生じる他、臨床所見に類似した病態を示す線維筋痛症様病態モデルマウスを作成し、脂質メディエーターであるリゾホスファチジン酸 (LPA) が疼痛発生に関与していることを明らかにしている。しかし、その分子機構は未だ明らかになっていない。そこで、本研究は神経とともに脳内で重要な働きをしているミクログリアに焦点を当て、PETイメージングなどを用いて、ミクログリアとLPAの関係を明らかにし、線維筋痛症におけるLPA分子機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、線維筋痛症マウスモデルにおいて、脳内のリゾホスファチジン酸(LPA)がどのように慢性疼痛形成に関与しているか、メカニズムの解明を目的としている。これまでに線維筋痛症マウスモデルにおいて、ミクログリア阻害剤であるミノサイクリンが病態モデルの痛みを改善することが分かっており、脳内LPAとミクログリアの関係について着目して研究を進めている。当初の予定では、線維筋痛症マウスモデルのミクログリア活性化領域をPETで検証する予定であったが、免疫染色で顕著なミクログリアの活性化を検出できないこと、マウスモデルによるPET解析の空間解像度の問題からうまく検出できなかった。そこで、脳内LPAとミクログリアの関係を調査するために、脳内ミクログリアを誘発するPolyI:Cを用いた。PolyI:Cは腹腔内に投与すると1時間を超えたあたりから痛みを誘発し、その痛みは1日後まで持続する、さらに、PolyI:C投与1日後にPET撮像を行うと、痛みに関与するいくつかの脳領域で活性型ミクログリアの集積が増加していることが分かった。今年度は、実際に活性化領域でLPA受容体がミクログリアに存在するかを検証するため、RNAscopeを用いて検証したが、LPA受容体は一部の発現の多い領域で検出できたが、目的の領域では発現が弱いもしくは存在しないため検出できなかった。そのため、次年度はRNAscopeの条件を再設定する。加えて、PolyI:Cモデルの痛みにLPAが関与しているかについて、LPA産生についても検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、線維筋痛症の病態メカニズムを解明するために、脳内LPAとミクログリアの関係に着目して研究を進めている。本研究の大きな課題は3つあり1. 脳内LPAがどのように作用して慢性疼痛形成に関与しているか? 2. 脳内LPAとミクログリアの関係3.線維筋痛症モデルの病態解明について検証している。1.2については、初年度でミクログリアの活性化が検出できなかったことにより遅れていたが、他のモデルで脳内ミクログリアが痛みを引き起こすことを明らかにすることができたことから、線維筋痛症モデルでLPAがミクログリアに作用し、痛みを形成している可能性が示唆された。そこで、LPAとミクログリアの関係について、LPA受容体の分布をRNAscopeで検証しようとしたが、目的部位ではうまく検出できず、来年度に持ち越しとなったため、やや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度で線維筋痛症モデルのLPAを介した痛み形成に関与する脳領域、ミクログリア活性化に伴う痛みの脳責任部位について、PETを用いた実験で明らかになった。しかしながら、LPAとミクログリアの関係についてはわかっていない。そこで、LPA受容体の分布をRNAscopeで検証しようとしたが、本年度はうまく検出できなかった。来年度は、RNAscopeによりLPA受容体とミクログリアの関係を検証する。さらに、LPA産生の実験を進めることで、これまでに明らかとなっているミクログリアの活性化領域と神経活動活性化領域に加えて、LPA産生が増えている脳領域について評価することでミクログリアとLPAの関係について明らかにしたいと考えている。
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