研究課題/領域番号 |
20K16525
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
馬越 真希 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(RPD) (20789672)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 副腎 / 骨粗鬆症 / ステロイド / ステロイドホルモン / 副腎由来ホルモン / ステロイドミクス / メタボローム / 骨質 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症の標準的診断法は骨密度検査であるが、骨折の約50%は骨密度では診断ができず、有用な診断法の確立が課題である。副腎ホルモンは骨強度に影響するが、副腎ホルモン過剰を伴う副腎腫瘍は骨量正常でも高率に骨折をきたす。従来、副腎ホルモンは最終産物により評価するが、予備検討により副腎由来代謝産物を包括的に評価する意義を見出した。副腎由来代謝産物の多様性は普遍的に認めるため、副腎腫瘍をモデルに得られた結果を一般化できると考えた。本研究では、副腎腫瘍を対象として血漿メタボロミクスを行い、骨関連指標と副腎由来代謝産物との関連を解析する。原発性骨粗鬆症で検証し、骨粗鬆症診断バイオマーカーを確立する。
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研究成果の概要 |
原発性アルドステロン症や褐色細胞腫と骨粗鬆症との関連性を見出した。メンデルランダム化研究により副腎アンドロゲンの骨保護作用を報告し、生理的条件での副腎由来ホルモンにおける骨代謝への影響を明 らかにした。網羅的ステ ロイドミクス解析を実施し、クッシング症候群における副腎由来ステロイド代謝物の骨粗鬆症への関与を検討した。特に閉経前女性のクッシング症候群患者では、特徴的なステロイドプロファイルを呈し、副腎腫瘍はグルココルチコイドとミネラルコルチコイド代謝産物を産生し、骨量低下に関与すること、グルココルチコイド過剰は付随副腎を萎縮させて副腎アンドロゲン産生は抑制 し、骨質劣化に関与することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
主要な内分泌臓器である副腎は、内外のストレスに応答してホルモンを分泌し、生体の恒常性を維持している。副腎は3層構造を呈する皮質と髄質より構成さ れ、皮質では層特異的にステロイドホルモン(ミネラルコルチコイド、グルココルチコイド、副腎アンドロゲン)が産生され、髄質ではカテコールアミンが産生される。ホルモン過剰状態では、ストレス応答性が破綻し、様々な加齢性疾患を引き起こす。コルチゾールの過剰はステロイド骨粗鬆症を引き起こすことはよく 知られているが、その他のホルモンの骨代謝への影響は明らかではなかった。本研究により、多様な副腎由来代謝産物が協調して骨粗鬆症の進展に影響していることが明らかになった。
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