研究課題/領域番号 |
20K16532
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
堀 敦詞 順天堂大学, 医療科学部, 助教 (50838373)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / カルシウム / プレセニリン / 遺伝子 / カルシウム動態 / iPS細胞 / プレセニリン蛋白 / 神経細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)は認知症の50-70 %を占める疾患である。ADの病態生理は明らかでなく、有効な予防法や治療法はない。家族性ADでは、プレセニリン遺伝子変異等が検出されているが、発症のメカニズムに定説はない。最近、AD患者の脳内電極からてんかん様異常興奮が観察された。一方、AD動物モデルでは、神経細胞内のCa動態異常が観察されているが、ヒト神経細胞を用いた詳細な検討はなされていない。本研究は、AD関連遺伝子変異を有するヒトiPS細胞由来神経細胞において異常興奮が起こるかどうかを検証し、その機序を明らかにすることを試みる。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病は認知症の大部分を占め、アルツハイマー病の患者数も年々増加することが推計されている。プレセニリン(PSEN1)はアルツハイマー病の原因遺伝子の主なものであるが、プレセニリン変異がアルツハイマー病を起こす機序は明らかでない。令和5年度では、健常者のiPS細胞由来神経幹細胞とPSEN1遺伝子変異を有する患者iPS細胞由来神経幹細胞を神経細胞へ分化させ機能解析を行った。正常細胞に比し、PSEN1遺伝子変異を有する細胞では、有意に異常Ca2+波が観察された。また、プレセニリンタンパク量とリアノジン受容体タンパク量を免疫細胞染色とウェスタンブロット法にて確認したところ、プレセニリンタンパク量とリアノジン(RyR)受容体タンパク量にほとんど差はみられなかった事より、PSEN1遺伝子変異がRyRからのCa2+流出を増加させたと考えられる。異常Ca2+流出は、神経の異常興奮を起こすと考えられ、アルツハイマー病発症の機序と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより国内外の研究試薬の入荷や納品の遅延のためやや遅れていたが、神経細胞の生化学実験へ進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
プレセニリン遺伝子変異を有する患者iPS細胞由来神経細胞で多数観察された異常カルシウム波がアルツハイマー病を起こす機序を調べる予定である。
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