研究課題/領域番号 |
20K16534
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
東本 祐紀 藤田医科大学, 医療科学部, 講師 (20569701)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヘルペスウイルス / ddPCR / HSV-1 / HSV-2 / VZV / Droplet Digital PCR / 脳炎・脳症 / 中枢神経 / ヒトヘルペスウイルス / ddPCR法 |
研究開始時の研究の概要 |
急性脳炎・脳症はあらゆる年齢層に生じる予後不良な中枢神経疾患であるが、正確な起因病原体の把握、病態解明を含め多くの課題が残されている。本邦での過去の報告より、小児、成人共にHSVをはじめとしたヘルペスウイルスが主要な起因ウイルスである一方で、残念ながら30~40%がいまだ原因不明という厳しい現実がある。そこで、既存の検査法より高感度な検査法(ddPCR法)を開発することで、治療可能なHSVやVZV感染による脳炎症例の正確な診断が可能となり、さらに未診断例の起因ウイルスを明らかにすることが病態解明や感染防御策策定につながり、予後不良な脳炎・脳症の診療レベル向上に大きく貢献できる。
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研究成果の概要 |
急性脳炎・脳症はあらゆる年齢層に生じる予後不良な中枢神経感染症であるが、病因、病態解明を含めいまだ多くの課題が残されている。その鑑別診断においては、現在の標準法であるreal-time PCR(qPCR)法を用いても、いまだ約半数が原因不明とされ、より高感度な検査法が望まれている。本研究ではddPCR法を用いた3種のαヘルペスウイルス検出法を確立するため、既存qPCR法との比較検討を行った。ddPCR法では現状のqPCR法を上回る結果を得る事は出来なかった。感度向上のためには、ddPCR法のサンプル添加量の増量、あるいは各ウイルス検出系毎の適切なアニーリング温度の検討など、改善の余地がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、HSV-1とVZVはqPCR法がddPCR法より感度が良く、HSV-2ではddPCR法とqPCR法は同程度の感度であった。既報ではddPCR法がqPCR法よりも高感度との報告も多数あるため、さらなる改善の余地がある。既存より高感度分子生物学的診断法を構築することで、原因不明脳炎・脳症の中から新たに起因ウイルス同定が可能になり、それらがどのような臨床像を呈しているか明らかになる。また未診断例の中から新たにHSV、VZV陽性検体が見つかれば、早期診断、適切な抗ウイルス剤投与により患者予後の改善に直結する。
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