研究課題/領域番号 |
20K16538
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
澁谷 修一 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老化ストレス応答研究プロジェクトチーム, 研究員 (70866342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 早老症 / ヘリカーゼ / 脂質代謝 / 細胞老化 |
研究開始時の研究の概要 |
ウェルナー症候群はWRN遺伝子変異を原因とする日本で報告例の多い成人性早老症である。しかしWrn欠損マウスはウェルナー症候群特徴的な老化症状を示さず、発症メカニズムや治療法開発のための研究の妨げとなっている。DNA巻き戻し酵素WRNとの機能的重複が予想されるファミリー分子RECQL5に着目し作出したWrn/Recql5 2重欠損マウスはウェルナー症候群様の脂質代謝異常を呈した。本研究ではRECQL5が起因する脂質代謝異常の発症メカニズムを明らかにし、老化進展の基礎メカニズムを考察する。
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研究成果の概要 |
ウェルナー症候群(WS)モデルとして新規に作出したWrn/Recql5 2重欠損マウスはWSと同様の高インスリン血症を伴う脂質代謝異常を呈することを明らかにした。内臓脂肪組織では脂質代謝関連に加えて老化関連遺伝子発現も増加し、老化細胞の蓄積も捉えた。老化細胞の除去は欠損マウスの脂質代謝異常を改善した。以上から、WRNとRECQL5の2重欠損は老化細胞の蓄積を起因とする脂質代謝異常を引き起こすことが示唆された。またWSの特徴であるサルコペニア肥満における脂質代謝異常と骨格筋制御の関連も見いだされ、さらなる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、WRNとRECQL5の2重欠失は老化細胞の蓄積に起因する脂質代謝異常を引き起こすことが明らかとなった。WS患者においても様々な組織に蓄積した老化細胞が老化病態を引き起こすと考えられる。本研究の成果は老化細胞を標的としたWSの新たな治療戦略へ応用できる可能性がある。また我々が作出したWrn/Recql5 2重欠損マウスは新規WSモデルマウスとしてWSの研究発展に寄与する。
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