研究課題/領域番号 |
20K16544
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
榎本 崇一 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (40569117)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ホモシステイン / αシヌクレイン / パーキンソン病 / α-シヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病は運動症状および非運動症状を呈する疾患で、徐々に進行し要介助状態となる。本症では脳神経細胞にαシヌクレイン(αSyn)を主成分とするレビー小体が形成されるが、神経の傷害はαSynのリン酸化および重合の過程で生じると考えられている。パーキンソン病患者は高ホモシステイン(Hcy)血症を合併し、悪化の危険因子であることが想定される。本研究ではHcyがαSynのリン酸化および重合促進に関わることを示し、パーキンソン病の病態解明と新規治療法の開発につなげることを目標としている。
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研究成果の概要 |
野生型αシヌクレイン(Syn)を発現する神経芽細胞腫細胞株(3D5細胞)にL-ホモシステイン(Hcy)を濃度調整して培養液に添加したところ、100μMでは細胞に明らかな形態変化を認めなかった。培養液に添加するL-Hcyを0μMと100μMとし、ウェスタンブロット法にて100μMで総αSyn、リン酸化αSyn(PS129)およびオリゴマー化したαSynの有意な増加を認めた。 次に野生型マウスにビタミンB6、ビタミンB12、葉酸を欠乏した餌を与えた群(ビタミン欠乏群)と通常の餌を与えた群に分け、3か月後に脳抽出液を作成した。ウェスタンブロット法にてビタミン欠乏群でPS129の増加傾向を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では高ホモシステイン(Hcy)血症がパーキンソン病において神経毒性を有するとされているαシヌクレイン(Syn)のリン酸化やオリゴマー化に影響するのかを明らかにしようとした。Tet-Off誘導系を導入した神経細胞株を用いて、Hcyが総αSyn、リン酸化αSynおよびオリゴマー化したαSynを増加させることをウェスタンブロット法で確認した。次いでビタミンB6・B12・葉酸を欠乏させ高Hcy血症を生じさせたマウスの脳抽出液においてリン酸化αSynの増加傾向を認めた。 以上の結果から安価なビタミン補充療法により高Hcy血症を是正することで、パーキンソン病の進行抑制につながる可能性が示唆された。
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