研究課題/領域番号 |
20K16562
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
岡田 岬 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 助教 (70849497)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | オピオイド誘発性便秘症 / 鍼 / 結腸運動 / ロペラミド / 鍼通電 |
研究開始時の研究の概要 |
手術後の疼痛やがん性の疼痛管理に使用されるオピオイド鎮痛薬は、副作用としてオピオイド誘発性便秘症を引き起こし、それは患者のQOL低下につながり、さらに低用量のオピオイド鎮痛薬の使用でも誘発されることが知られている。鍼通電療法は術後の疼痛を緩和し、疼痛管理のためのオピオイド鎮痛薬の使用を減少させるという報告がある。鍼通電療法は手術後の多様な症状に対して効果的であると考えられ、本研究では、オピオイド誘発性便秘症モデルラットの鍼通電刺激の効果とその作用機序を明らかにすることを目的とする。同時に、本症に対する鍼通電刺激の予防効果も検討する。
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研究実績の概要 |
手術後の疼痛やがん性の疼痛管理に使用されるオピオイド鎮痛薬は、副作用としてオピオイド誘発性便秘症(Opioid-induced constipation: OIC)を引き起こすことが知られている。OICは患者のQOL低下につながり、さらに低用量のオピオイド鎮痛薬の使用でも誘発されることから、厄介な副作用であると認識されている。 我々はμ受容体賦活薬(ロペラミド塩酸塩)投与によるラット結腸伝播運動(Colonic transit : CT)の遅延を経時的に確認し、OICモデルを作成した。さらに、鍼通電刺激(Electroacupuncture: EA)はOICモデルのCT遅延を改善させたことを昨年に報告した。今年度ははOICの病態並びOICに対するEAの効果の作用機序を薬理学的に検討した。 SD系雄性ラットを、OICに対する交感神経の影響の検討のためにOIC+フェントラミン群、OICにおけるEAの効果に対する副交感神経の影響の検討のためにOIC+アトロピン+EA群に分けた。両群ともに前処置としてカテーテルを盲腸から結腸側に向けて挿入し、5日間の回復期間を設けてCTを測定した。ロペラミド塩酸塩は測定3日前から毎日皮下投与し、フェントラミンはCT測定直前に、アトロピンはEA直前に腹腔内投与した。CTは、留置カテーテルからマーカー20粒を生理食塩水とともに注入し、経時的にソフトX線で撮像し、Geometric Centerの算出により評価した。μ受容体賦活薬により遅延したCTはフェントラミンの投与によって有意に加速した。また、EAによって改善されたCTはアトロピンの投与によって遅延した。OICに対するEAの効果は作用機序の一部を副交感神経自律神経とすることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度からの研究進行の遅延により、2023年度に投稿予定であった論文が未作成である。2024年度はデータの詳細な解析並びに論文作成に努める。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に学会発表並びに論文の作成を行う。
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