研究課題/領域番号 |
20K16571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井泉 瑠美子 東北大学, 大学病院, 助教 (60571453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 多系統蛋白質症 / 封入体 / トランスクリプトーム解析 / 封入体ミオパチー / 次世代シークエンサー / 縁取り空胞 / 自己貪食空胞 / ミオパチー / 蛋白分解系 |
研究開始時の研究の概要 |
多系統蛋白質症(multisystem proteinopathy:MSP)病態に関する疑問を明らかとするために、MSP症例の遺伝子解析により、MSPの原因遺伝子および疾患修飾遺伝子の候補を抽出する。生検骨格筋組織を用いた検証を重ね、病的意義を明らかとし、今後の治療標的分子の抽出、介入実験を見据えた病態再現細胞・動物モデルの確立までを行う。特に、MSP3型関連hnRNPA1遺伝子変異患者由来iPS細胞、同じくRNA結合蛋白であるFUS遺伝子変異iPS細胞をリソースとして、各MSP病型や細胞種に共通する治療標的分子を見出すことを最終目的とする。
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研究成果の概要 |
封入体ミオパチー病理診断例を対象とした網羅的ゲノム解析により、新たに2家系3症例にhnRNPA1遺伝子変異を確認し、多系統蛋白質症3型(MSP3)の診断に至った。そのことによりMSP3型変異保有骨格筋を用いたトランスクリプトーム解析が可能となり、hnRNPA1の機能と関わる複数のパスウェイがMSP3群で有意に抑制されていた。これらのパスウェイの主要な分子について、骨格筋組織および患者由来iPS細胞を用いて発現・局在に関する評価検討を行い、病的変化を確認した。また、MSP3型変異保有骨格筋において、300を超える分子に選択的スプライスパターンの変化が認められ、筋変性との関わりが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網羅的遺伝子解析により、多系統蛋白質症の新規診断例が加わった。そのことにより骨格筋組織を用いた病理学的解析・トランスクリプトーム解析が可能となり、本症における筋変性機序の一端を明らかとすることができた。さらに、共通する新たな治療標的分子を明らかにすることができれば、神経筋に共通する変性病態解明が大きく前進し、その成果は、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭型認知症、封入体形成筋疾患の治療法開発に広く応用できると期待される。
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