研究課題/領域番号 |
20K16589
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
斎藤 良彦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, メディカルゲノムセンター, 科研費研究員 (80811934)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ADSSL1ミオパチー / 筋病理 / ネマリンミオパチー / 先天性ミオパチー / 臨床病理学的解析 / ネマリン小体 / ATP de novo合成経路 |
研究開始時の研究の概要 |
ADSSL1ミオパチーは、これまでに韓国で9症例報告されたのみで、当初は筋病理所見から縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーとされたが、その後の報告ではより多様な症状を呈し、依然として本疾患の全体像は明らかにされていない。そこで、当施設の神経・筋疾患研究資源レポジトリーに保存されている20000検体から遺伝子変異を検索し、日本人患者を63症例同定した。 本研究では、日本人患者で臨床病理学的な検討を行う。それと並行し疾患動物モデルを作製し、加齢に伴う表現型の変化を解析する。解析を通じて、本疾患の病態や疾患概念の確立や、将来的な本邦に多い本疾患の治療法開発を目指しており、非常に重要で意義のある研究である。
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研究成果の概要 |
本研究では、ADSSL1ミオパチーの筋病理所見において疾患特異的な経過として、小児期発症で極端に足が遅く疲れやすく緩徐進行生の筋力低下が共通し、筋病理 では全例でネマリン小体、脂肪滴を認め、日本で最も頻度の高いネマリンミオパチーであることを見出した。加えて、これまで報告のない嚥下障害や肥大型心筋症、拘束性呼吸障害を高頻度に認めることも見出した。さらに、ADSSL1ノックアウトマウスと、ミスセンスのノックインマウスを作製し、病態解明並びに治療法の開発を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADSSL1ミオパチーは希少疾患の中でも日本人で現在70名以上診断させている日本で最も頻度の高いネマリンミオパチーであり、本疾患の原因遺伝子はATP de novo合成経路に関わるため代謝性疾患の側面を持ち、治療法開発へ発展させることのできる疾患である。動物モデルを用いて本遺伝子異常による病態や病理に踏み込んでおり、疾患特異的な治療法開発に至ることのできつつあり、他疾患の治療法開発のロールモデルとなり得る可能性がある。
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