研究課題
若手研究
近年、ランビエ傍絞輪部に局在するneurofascin 155(NF155)やcontactin-1 (CNTN1)に対する自己抗体が一部の慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)症例で陽性になることが明らかとなった。抗NF155抗体陽性CIDPは中枢神経病変を、抗CNTN1抗体陽性CIDPはネフローゼ症候群を合併することが報告されているが、その頻度、特徴、免疫・遺伝学的発症機序は明らかとなっていない。本研究では自己抗体陽性CIDPの末梢神経外の病変に注目し、その詳細を明らかにすることが目的である。
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーより派生した自己免疫性ノドパチーの末梢神経外の病変に注目し研究を行った。その結果、IgG4抗neurofascin 155抗体陽性ノドパチー症例では潜在性ながら視神経障害を示唆する所見を半数以上に認めることを、視覚誘発電位を用いて明らかにした。またIgG4抗contactin-1抗体陽性ノドパチー症例では半数以上でネフローゼ症候群および顕性蛋白尿を呈することを見出した。更に、胸腺腫を合併する症例を複数見出した。いずれも、自己免疫性ノドパチーの各サブグループの特徴と成り得る所見である。
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーより派生した自己免疫性ノドパチーの末梢神経外の病変に注目し研究を行いました。その結果、IgG4抗neurofascin 155抗体陽性ノドパチー症例の視神経障害の程度、割合について明らかにしました。またIgG4抗contactin-1抗体陽性ノドパチー症例における、ネフローゼ症候群および顕性蛋白尿を呈する割合を明らかにしました。更に胸腺腫を合併する症例3例を見出しました。いずれも、新たな疾患概念である自己免疫性ノドパチーを特徴づける重要な所見です。
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