研究課題/領域番号 |
20K16608
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山田 浩貴 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00867913)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脳梗塞 / 再生医療 / ゲノム編集 / iPS細胞 / 神経幹細胞 / 遊走 / 自殺遺伝子 / 脳切片培養 / 透明化 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、これまで自殺遺伝子導入ヒトiPS細胞由来神経幹細胞(NSC)を悪性神経膠腫に対して用いる研究を行ってきた。一方再生医療に対する細胞移植療法は、移植細胞の造腫瘍性が問題視される。本治療用NSCは自殺遺伝子の導入により造腫瘍性の問題を解決する安全装置を備えているため、脳梗塞を含む様々な再生医療への安全な応用が可能となり汎用性の高いツールとも考えることができる。そこで本研究開発では、脳梗塞に対する本治療用NSCの応用の可能性を探索するために、治療効果を発揮するに重要な要素である脳内遊走を、我々が確立した脳切片培養及び透明化技術を駆使して定量的に解析し、さらに脳梗塞モデルに対する機能改善効果を実証する。
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研究成果の概要 |
我々が樹立したiPS細胞由来神経幹細胞(CD-NSC)は自殺遺伝子yCD-UPRTの導入により造腫瘍性の問題を解決する安全装置を備えているため、脳梗塞に対する再生医療への安全な応用が可能となる。本研究開発では、脳梗塞モデルラット脳内に移植したCD-NSCが良好に生着し、損傷脳部位に遊走することを示す事に成功した。また、CS-NSCはプロドラッグ投与により良好に死滅させることができることも評価した。最後に、不全麻痺を来す本モデルに対してCD-NSCを移植し、運動機能改善効果を示す傾向を認めたため、現在再現性含め評価している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中枢疾患に関する細胞療法は幹細胞の登場で、再び脚光を浴び始めている。これまで倫理的問題により、ヒトに投与可能かつ十分量のNSCを入手することは困難だったが、iPS細胞の技術開発に伴い、現在はヒトiPS細胞からNSCを誘導可能となり、倫理的諸問題も回避できるようになった。我々が開発した治療用NSCは、自殺遺伝子をゲノム編集技術で挿入することで、プロドラック投与により自らを死滅させることができるため、細胞移植療法で懸念される造腫瘍性の問題を解決する新たなツールとなる。本治療用NSCを用い、脳梗塞に対して高い安全性と治療効果を示したことで、安全な再生医療への応用の土台を構築するきっかけとなりうる。
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