研究課題/領域番号 |
20K16609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
川幡 由希香 東京医科大学, 医学部, 助教 (80778473)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨格筋 / セロトニン / セロトニン症候群 / 横紋筋融解症 / ゼブラフィッシュ |
研究開始時の研究の概要 |
セロトニン症候群は抗うつ薬などのセロトニン作動薬の服用により現れる副作用で、精神・神経筋症状などが認められる疾患である。重篤な場合は、横紋筋融解症やミオグロビン尿症などの骨格筋障害を引き起こす。しかし、セロトニンによる骨格筋障害の分子メカニズムは明らかではない。そればかりか、セロトニンの作用経路についての研究の多くは神経系において検討されており、骨格筋を用いて検討した研究はほとんどない。そこで本研究では、骨格筋におけるセロトニンの作用部位とシグナル伝達経路を同定し、骨格筋におけるセロトニンの機能を解明することで、セロトニン作動薬の投与時に引き起こされる骨格筋障害を抑える治療薬開発の糸口を掴む。
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研究成果の概要 |
骨格筋におけるセロトニンの役割、及びセロトニン投与による骨格筋障害のメカニズムを明らかにすることを目的とし、マウス骨格筋におけるセロトニン関連遺伝子の発現解析と、セロトニンを投与したC2C12細胞での遺伝子発現解析を行なった。その結果、マウスの骨格筋部位によってセロトニン産生や代謝が異なり、それらが筋肥大や筋萎縮に関わっている可能性が示唆された。培養細胞の解析では、高濃度で添加した際にエネルギー代謝関連遺伝子などの遺伝子発現が低下し、myotubeの形成が抑制された。今回行った高濃度のセロトニン添加は、骨格筋障害をもたらす細胞のモデルとなり得るため、今後、治療標的分子の発見につなげていきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セロトニン症候群は、セロトニン作動薬の服用により現れる副作用で、精神症状、神経筋症状、自律神経症状などが認められる疾患である。重篤な場合は、横紋筋融解症などの骨格筋障害を引き起こす。しかし、なぜセロトニンにより骨格筋が障害されるのか、さらには骨格筋におけるセロトニンの役割も不明な点が多い。本研究により、骨格筋におけるセロトニン産生や代謝は筋線維タイプごとに異なる可能性が示され、骨格筋でのセロトニンの具体的機能を解明する手がかりを掴んだ。また、セロトニン添加時の培養細胞を骨格筋が障害されるモデルとして使用することで、今後、治療標的分子の同定につながっていくと期待される。
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