研究課題/領域番号 |
20K16619
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 (2020, 2022) 公益財団法人神経研究所 (2021) |
研究代表者 |
小林 七彩 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (80841668)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | smartphone / gaming disorder / MRI / ADHD / ASD / スマートフォン / ゲーム障害 / スポーツ / 骨密度 / 体力 / 握力 / 敏捷性 / ハームリダクション / ネット依存 / スマホ依存 / fMRI |
研究開始時の研究の概要 |
ゲーム障害はギャンブル障害と同じ行動嗜癖に分類され、青少年を中心に、不登校や引きこもり、家庭内暴力、学業不振や就労機会の喪失などを招く重大な社会問題となっている。しかしスマートフォンやパソコン等の情報通信機器は我々にとって非常に身近な存在であることから、従来の「嗜癖対象から引き離す」治療はその継続が困難なケースが多い。我々はハーム・リダクションの観点からゲーム障害の治療を行い一定の効果を得ており、治療前後の脳機能画像と臨床症状評価を詳細に調査し、治療による脳機能の変化や治療効果に影響する因子を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
入院症例はCOVID19流行やその対策のために有効な症例数が十分ではないと判断し、外来症例において収集している脳画像について検討を行った。運動機能の変化については少人数ではあるが収集をおこなって学会発表を行った。(昨年度報告済み)外来脳画像研究に関しては2023年6月末に実施されるIBNS(International Behavioral Neuroscience Society)で発表予定である。
スマホを使いすぎることで起こる問題のひとつに、画面の見過ぎによる睡眠障害がある。このような、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)第5版(Haug S,2015)のインターネットゲーム障害(IGD)の研究基準に基づく「問題あるスマートフォン使用(PSU)」の人は、スマートフォン使用を中断して行動を変え、睡眠に入ることが困難であるとされている。本研究の目的は、PSUにおける夜間のスマートフォン使用、注意の切り替え、報酬系との関係を検討することである。主にスマホを使用する患者に対し、自記式心理尺度( [AQ][ADHD-RS][SAS-SV]), スマホログ(夜間使用時間)、brain MRI(NAcc)との相関を見たところ、53人の参加者でAQの注意の切り替えの困難さのスコアと、夜間のスマホ使用時間、側坐核のvolumeにおいて相関を認めた。注意の切り替えの困難さが夜間のスマホ使用につながり、その背景には報酬系の関与が疑われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定とは方針は異なるものとなってしまったが、入院患者の脳画像と体力測定については引き続き行っていく予定である。また、外来でのスマートフォンのログの収取と脳画像に関しては学会での報告ができる状態となった。
|
今後の研究の推進方策 |
データ解析にあたり入院患者では十分な数ではなく、また健常者の脳画像収集も十分ではないため、外来症例のデータを検討することとなった。
|