研究課題/領域番号 |
20K16624
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉山 俊介 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60755776)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 神経振動 / 脳磁計 / 聴性定常反応 / 脳磁図 / オシレーション / 統合失調症 / 自閉スペクトラム症 / 感覚記憶 / 多感覚統合 |
研究開始時の研究の概要 |
精神疾患、特に統合失調症と自閉スペクトラム症は多くの研究で感覚処理に異常があることが示されているが、多感覚情報処理を検討した研究は少ない。本研究では、脳磁計(MEG)を用いて、聴性定常反応(ASSR)の潜時変化を指標として多感覚統合処理過程を数値化し、統合失調症と自閉スペクトラム症における多感覚統合の異常を検討する。本研究により、どの脳領域のどの感覚情報処理段階で異常があるのかを明らかにすることができるため、これらの精神疾患における感覚情報処理異常の基盤の少なくとも一部を解明でき、さらには病態の理解や客観的な診断・評価尺度の開発に繋がる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究が開始した時点で、新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、研究施設の利用が制限され、患者に対する実験を行うことが困難になった。そのため、研究内容を変更せざるを得なくなった。そこで研究代表者は、これまで研究を行っていた生理学研究所のMEGを利用して、健常者の神経生理学的研究を行った。特に、神経振動(オシレーション)に興味を持ち、40Hzのオシレーションが活性化しているときに、約20-30Hz(β~低γ周波数帯)のオシレーションが抑制されることを明らかにした。同様の所見は、オシレーションの高調波の特性を利用した別の研究でも明らかにされた。研究期間中、筆頭著者として4本の国際誌に掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
γ帯域(20-80 Hz)の神経振動であるγオシレーションは、様々な高次機能や精神疾患との関連があり注目されてきたが、固有の振動特性を持つ諸回路の個々の機能解明は十分ではなく、さらに、それぞれの回路間の相互作用についてはほとんど検討されていなかった。本研究は、ヒトにおいてγオシレーション間の相互作用を示した初めての研究となった。この研究は将来、精神疾患におけるγオシレーション異常の解明に繋がることが期待される。
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