研究課題/領域番号 |
20K16628
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
吉野 祐太 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10646243)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 遺伝子発現 / マイクロRNA / 統合失調症 / ハロペリドール / 母体への薬剤暴露 / 抗精神病薬 / 妊娠 |
研究開始時の研究の概要 |
母体の抗精神病薬内服の胎児の催奇形性への影響は比較的検討されているが、胎児への分子学的な影響を調べた研究はあまり存在しない。私は、予備実験として妊娠マウスへ抗精神病薬を投与して得られた仔マウスの海馬における遺伝子発現を調べた結果、神経発生、シナプス機能に関連する遺伝子発現の変化を見出した。 近年、microRNAが遺伝子発現の調節を介して神経系に影響を与えることが報告されている。私は前回用いたものと同様のRNAを用いて、抗精神病薬投与軍において海馬microRNAの変化が起こっているか、またその変化が神経系に関わる遺伝子発現に影響を与えているかを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
母体への抗精神病薬投与が、どのように子の分子細胞生物学的に影響を与えているかは明らかにされておらず、我々はマウスを用いてこの点を解明する目的で研究を行った。抗精神病薬であるハロペリドールを母体へ投与し、産まれた仔の海馬においてmicroRNA-137-3pの低下、およびNr3c1遺伝子発現の上昇を確認した。更に細胞培養を用いた実験で、このmicroRNA-137-3pがNr3c1遺伝子発現を調節していることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
母体への抗精神病薬投与が、どのように胎児への分子生物学的な影響を及ぼすかは明らかにされておらず、マウスを用いた研究ではあるが、その一部分を解明できたことは社会的に意義のあることである。また、それに加えて近年注目されているnon-coding RNAの1つであるmicroRNAのうち、統合失調症に関連するとされるmiR-137-3pが神経発達に影響を与えるNr3c1遺伝子の発現を調節することを明らかにしたことは、学術的にも意義のあることであり今後の統合失調症の解明の一助となると考える。
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