研究課題/領域番号 |
20K16635
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
山田 悠至 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 司法精神診療部, 医師 (70832898)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 経頭蓋直流電気刺激 / tDCS / ニューロモデュレーション / 統合失調症 / 社会認知 / メタ認知 / 社会機能 / 経頭蓋直流電気刺激(tDCS) / 社会認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症患者の社会復帰の促進は喫緊の課題であるが、そのために必須とされる社会認知を十分に改善させる介入法はない。さらに統合失調症患者の主観的QOLの向上も近年注目されているが、そのために必要なメタ認知の治療法は未整備である。本研究では、社会認知とメタ認知の両方の中枢に経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)を施行し、両認知機能を同時に改善させることを目的とする。このようにして得られる知見は、統合失調症患者の主観的・客観的な回復を促すと考えられる。
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研究実績の概要 |
統合失調症患者の社会復帰の促進は喫緊の課題であるが、そのために必須とされる社会認知を十分に改善させる介入法はない。他方で発症早期からの社会認知への介入の必要性は、我々の研究グループが世界に先駆けて行った系統的レビューで示されている。さらに統合失調症患者の主観的QOLの向上も近年注目されているが、そのために必要なメタ認知の治療法は未整備である。本研究課題では、社会認知とメタ認知の両方の中枢である内側前頭前野に経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)を施行し、両認知機能を同時に改善させる。このようにして得られる知見は、統合失調症患者の主観的・ 客観的な回復を促す。 本研究課題のパイロット試験を実施した。本パイロット試験は厚生労働省のJRCT (Japan Registry of Clinical Trials)に、特定臨床研究(jRCTs032180026)として登録した。パイロット試験の最終目標症例数15名に、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による介入を実施し、治療を要する有害事象は発生せず、tDCSによる脱落と判断された症例も認めなかった。2021年度には、本パイロット試験のプロトコル論文を英文誌にて出版し、パイロット試験のデータ解析にて、社会認知の改善効果を確認した。2022年度には、パイロット試験の主解析論文を英文誌にて出版した。2023年度には、パイロット試験のサブ解析論文を英文誌にて出版した。一連の結果から、統合失調症患者の臨床症状に応じて、tDCSの陽極刺激を実施する脳領域を選択することが有効である可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初はパイロット試験を実施せず、本試験にてtDCSによる介入効果を検証する予定であった。しかし、2020年~2022年にかけて、COVID-19の流行により所属機関での臨床研究が制限を受け、被験者リクルートにも難渋した。そこで、当初想定の本試験に代わり、outcomeや対象人数を限定した形でのパイロット試験を実施した。その結果、パイロット試験に関しては、目標症例数への介入を完了し、介入効果も確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
今回のパイロット試験では、当初計画をしていた脳刺激部位とは異なる部位への介入にて社会認知の改善が示唆された。こうしたパイロット試験での新知見を踏まえ、新たな研究デザインを検討する。
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