研究課題/領域番号 |
20K16640
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木村 大 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (10646409)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 統合失調症 / 抗精神病薬 / ドパミン過感受性 / 認知機能 / ドパミン過感受性精神病 / NMDA受容体 / D-セリン / D-サイクロセリン / 認知機能障害 / N-メチル-D-アスパラギン酸受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
NMDA受容体機能低下仮説から、これまでに新たな統合失調症治療薬として様々なNMDA受容体作動薬の臨床研究が行われてきたが、その有効性については依然として一定の見解に至っていない。本研究の主眼は長期高用量の抗精神病薬によりNMDA受容体機能が低下したラットへのNMDA受容体作動薬の効果を調べることであり、高用量の抗精神病薬にも反応しない治療抵抗性統合失調症の新たな治療戦略の開発につながるものと思われる。
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研究成果の概要 |
N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体機能低下により認知機能障害が起こることが知られているが、抗精神病薬を慢性的に投与されているにも関わらずドパミン過感受性状態(DSS)を呈さない非DSSモデルラットではNMDA受容体機能が低下していることを以前報告した。ついで、今回の研究により、DSSラットでは線条体や海馬のCA3および歯状回領域で神経障害を来たしているが、非DSSラットではその障害が歯状回だけに留まっていることまで判明し、障害部位の違いが認知機能障害と関連することが推測された。今後さらなら検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの治療抵抗性統合失調症研究は、抗精神病薬に対する耐性だけを基準に診断しており、実際は様々な遺伝的素因を持つグループが混在していた。今回の我々は抗精神病薬に対する反応性の違いから、治療抵抗性をドパミン過感受性グループと非ドパミン過感受性グループに分けて研究することで、よその後の評価につなげることが出来た。そのため、今後の統合失調症研究を行う上で、新しいグループ分けを提案できたと考えられ、今後より精緻な研究を進めていく足掛かりになると思われる。
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